2017年5月15日の参議院決算委員会にて、石井苗子参議院議員が『東京オリンピック時のコミケ等の会場問題』と、『テロ等準備罪(共謀罪)が二次創作同人サークルを萎縮させるのではないかという懸念の問題』について質問を行いました。実際の質疑の該当部分を文字起こししたので公開します。


文字起こしをする動画:
参議院インターネット審議中継 2017年5月15日 決算委員会
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?ssp=29820&type=recorded
(この動画の4:21:00から文字起こし)


以下、文字起こし。


石井苗子参議院議員
「日本のコンテンツ産業の特徴です。どうして世界で受けるか。中身の面白さ、数の多さ、多様性、です。これが魅力的な商品に変化するわけです。で、これが日本の経済を引っ張っていく、要になっていくわけなんです。3月31日に観光庁が出しました平成28年度、訪日外国人消費動向調査ですが、コンテンツを購入目的でいらっしゃる観光客数は、順調に増えております。消費も上がっているということが分かります。これでどれだけ力強い将来性があるかということが、このデータで分かるんですが。ところが、資料の6を見ていただきたいと思います。

五輪のしわ寄せ ビッグサイト、20カ月利用制限。日本の中小企業が悲鳴』とあります。売上1兆円の損失。ここの試算ですが、日本展示会協会を調べますと、1兆2千億円損失と出しております。この件で、オリンピックの運営に対するクレームは、東京都に来ているそうですけれども。

この記事にある東京ビッグサイトですが、ここが会場となっておりますものに、コミックマーケット、コミケというのがありまして、毎年、先程のアクセス数と同じですけど、55万人という人が訪れる大きなイベントで、外国のかたがこの1割を占めております。これが開催できないのではないかということで、ネットが炎上寸前状態になっております。

55万人のマーケット、コミケも、クールジャパン政策の1つであって、あったほうがいいと、私は思うのですが。外務大臣にお聞きします。この1兆2千億円の損失をどう見ていらっしゃるか。東京都に対応を打診する計画がおありか。丸川オリンピック大臣と相談して、国の政策を出されるというようなおつもりがございますでしょうか。大臣のご方針を教えていただきたいのと、合わせてですね、このコミケの55万人の皆さんにも、この場でコメントなりメッセージを出していただきたいと思うのです。よろしくお願いします」

岸田外務大臣
「まず、我が国としてましては、国の戦略的な取り組みとして、政府全体でクールジャパン戦略を推進しています。様々な日本の魅力、文化、しっかりと発信していかなければなりませんし、幅広い取り組みを続けていかなければならないと思います。

その中にあって、2020年東京オリンピック・パラリンピックの場も、このクールジャパンの推進に資する大変重要な機会であるとも感じています。ぜひ様々な機会を捉えて、我が国の魅力を積極的に発信したいと思いますが、御指摘のビッグサイトの利用については、今年4月に説明会が行われ、その結果、大きな反響が出ているということ、承知をしております

結果、この問題については、経産省を中心に関係自治体や関係省庁で利用制約の影響が少なくなるよう調整を行っていると承知をしています。この問題については、オールジャパンで取り組まなければなりません。この経産省を中心としている調整、しっかりと見守っていきたい思いますし、外務省の立場からも、日本のクールジャパン戦略をはじめ、国際的な取り組みを前進させるためにどうあるべきなのか、更には、個々の企業においてどんな影響が出るのか、その影響を最小限にするためにはどうしたらいいのか、こうした議論にしっかりと貢献をしていきたい。このように考えます

石井苗子議員
「ありがとうございます。今日はせっかく法務大臣がいらっしゃるので、資料の7も見ていただきたいと思います。先程の続きですが、『クールジャパン危機、共謀罪でコミケどうなる』という見出しです。

コミケコミケとばかり言っているように思われますでしょうが、記事のポイントは、オリンピックでもコミケでもありません。国際組織犯罪防止条約、これは政府としては早期に締結したいと、北朝鮮も本年、締結しております。日本は3年後にラグビーのワールドカップ、4年後に五輪東京大会。最低限の義務を履行できる国にならないと、国際的な信用を得られない。テロの対象として狙われることだってないとは言えないではないかと、ここが大前提にあって、テロ等準備罪となっているんですが。

国民としてはですね、それはそれで分かりますが、ひとつひとつのことについて、安心できる説明が欲しいわけです。ひとつひとつに大丈夫だと納得出来ないというジレンマを感じているんですね。

で、この決算(委員会)の、この場も見ている方がいらっしゃいます。例えばですね、著作権法違反については、著作権の保有者の訴えがあってはじめて成立するものだったはずのものが、密告者によって捜査の対象となってしまうということが、表現の自由を持っている自由者という方々ですね、これ怯えというものを生み出しております。

一方で国際的に見れば、著作権侵害で組織犯罪集団の資金源を作り出す可能性だってあるから、取り締りの対象とするのだという説明ですが、このあたりに先程私が言ったジレンマというのがあるわけで。

日本の文化的感覚で言えば、犯罪の準備をしているという理由で捜査を受けたとすれば、一生が吹っ飛んでしまうと、新聞記事に書いてある、ズバリこの言葉が不安の心理というものが表現されていると思います。例えば、自分の作風が反社会的なものだったとします。それをマトモに受け取った人が、誰かが通告を実行した結果、共謀罪に問われるという捜査を受けることがあるかもしれない。そんなことがあったらどうしようと。

だから、この記事のように、コミケの次回の出店は迷っております、というような形で、クールジャパンが危機にあるんではないか。出店を迷っているという人が増えたら、開催はどうなる、ということなんですが。

仕事に影響も、それは心配でしょうが、それよりやはり個人の人生や生活を脅かすことになってしまわないかという不安が、取り締まりに対してあるわけで。そこの説明がしっくりできていないということが、問題なんだと思います。

金田法務大臣は連日のご答弁で苦労されているご様子を私もよく存じておりますが、この新聞記事を見てですね、今のこうした仲間たちに、貴方がたはどのような認識を持っていれば安心なのだというメッセージと言うか、そういうご説明をひとつお願いしたいと思います」

金田法務大臣
「突然のご質問でございます。通告ありませんが、申し上げさせていただきたいと思います。テロ等準備罪における組織的犯罪集団というのは、組織的犯罪処罰法における団体のうち、その結合関係の基礎、共同の目的が一定の重大な犯罪等を実行することにあるものを言うわけであります。

このような定義に該当しうると考えられるのは、法文上例示しております、テロリズム集団、あるいは暴力団、薬物密売組織といった違法行為を目的としている団体に限られるわけであります。そもそも組織的犯罪処罰法における団体は、その構成員が任務の分担に従って指揮命令に基いて行動する、こういうものでありますが。

今、御指摘の点について申し上げれば、あくまでも一般論として申し上げるわけでありますが、御指摘の事例にあるような、こういうコミケ、こういったようなものはですね、その構成員がこうした指揮命令や任務の分担に従って行動するものではありませんので、組織的犯罪処罰法における団体には当たらないということになります。

加えて、一般のサークルの目的は、懇親等であって、一定の重大な犯罪等を実行することを構成員の結合の目的としているとは考えられないわけであります。従いまして、一般のサークルはテロ等準備罪における組織的犯罪集団には該当いたしませんので、テロ等準備罪が成立することはないものと申し上げることができると考えております」

石井苗子議員
「ありがとうございます。安心して良いのだというメッセージでよろしいでしょうか。…問題があると思いますが、私も持ち時間が29分までですので、次の質問は他の機会にさせていただきたいと思います」


文字起こしは以上です。

【参考リンク】
石井苗子議員Twitter
https://twitter.com/ishii_ishin

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