山田太郎前議員の呼びかけに応じる形で、公正取引委員会の募集した下請法に関するパブリックコメントに、個人・事業者・団体等からアニメーション制作産業の厳しい取引環境について意見が寄せられたようです。具体的には112人の方が意見を送ったようですね。




◎アニメーション制作産業における非常に厳しい取引環境について、個人・事業者・団体等から、公正取引委員会に寄せられた意見の概要


アニメーション制作産業は,クールジャパン戦略で取り上げられているように,我が国の重要なコンテンツ産業である。しかしながら,そのアニメーション制作産業における取引環境は非常に厳しい状況にある。

具体的には,親事業者の都合で受領を拒否される,対価を著しく低く抑えられる,契約にないリテイクを無償で求められるなどがある。アニメーション制作に係る取引について,運用基準の取引例・違反行為事例への追加,下請法違反行為への対処等を求める。

また,下請法の資本金要件を満たさない等といった理由から,下請法の適用を受けないアニメーション取引もあるが,このような取引への対処等を求める。

さらに,個人,フリーランスのアニメーターが,過酷な労働や低賃金を余儀なくされるなど,アニメーション制作産業全体が厳しい状況に置かれている。他省庁との連携も含め,このような状況の改善を求める。(事業者,団体,個人,無記名)



◎寄せられた意見に対する、公正取引委員会の考え方

アニメーションの制作については,テレビ局や製作委員会等の発注者から,元請制作事業者,下請制作事業者へと再委託が行われる重層構造にあり,再委託を受ける事業者は小規模事業者が多く,元請事業者から不当なしわ寄せを受けやすいと考えられます。このため,御意見を踏まえ,アニメーションの制作に関する情報成果物作成委託の取引例として,「第2法の対象となる取引」において次の事例を追加しました。

第 2 の 3(6)
「アニメーション制作業者が,製作委員会から制作を請け負うアニメーションの原画の作成を個人のアニメーターに委託すること。」

また,違反行為事例として,「第 4 親事業者の禁止行為」において次の事例を追加しました。

1-9 その他の受領拒否
「親事業者は,継続的に放送されるアニメーションの原画の作成を下請事業者であるアニメーション制作業者に委託しているところ,視聴率の低下に伴い放送が打ち切られたことを理由に,下請事業者が作成した原画を受領しなかった。」

5-13 その他の買いたたき(3)
「親事業者は,アニメーションの原画の作成を下請事業者である個人のアニメーターに委託しているところ,親事業者の要望を反映させることにより作成費用が当初の見積りよりも割高となることを理由に下請事業者から下請代金の引上げを求められたにもかかわらず,そのような費用増を考慮することなく,当初の見積価格により通常の対価を大幅に下回る下請代金の額を定めた。」

8-7 その他の発注内容の変更・やり直し(3)
「親事業者は,アニメーションの動画の作成を下請事業者であるアニメーション制作業者に委託しているところ,親事業者が内容確認の上,完成品を受領したにもかかわらず,プロデューサーの意向により動画の品質を引き上げるための作業を行わせ,それに伴い生じた追加の費用を負担しなかった。」

 また,アニメーション制作の取引において下請法違反行為が見受けられた場合には,迅速かつ効果的に対処してまいります。

下請法の対象とならない取引であっても,独占禁止法上の優越的地位の濫用に当たる行為に対しては,厳正かつ効果的に対処してまいります。

低賃金や長時間労働の背景に親事業者による下請法違反行為がみられる場合には,迅速かつ効果的に対処してまいります。


(平成28年12月14日)「下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準」の改正について - 公正取引委員会
http://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h28/dec/161214_1.html

(別紙2)意見の概要及びそれに対する考え方(PDF:291KB)
http://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h28/dec/161214_1.files/161214_03.pdf
(このPDFの31-32ページに、アニメーション制作産業について寄せられた意見の概要と公正取引員会の考え方が掲載されています。33ページにはゲーム制作産業についての事例の追加も報告されていますね)

 


【参考】