ご本人の公式HPのプロフィールにも記載されている通り、小野田紀美参議院議員はゲームを作る会社で働いていた経歴の持ち主です。その小野田議員が、2016年11月22日の参議院文教科学委員会で、二次創作への悪影響が懸念されていた著作権侵害の非親告罪化の問題や、アニメ・マンガ・ゲーム文化について、ゲームの業界に勤めていただけあって非常に分かっている質問を行いました。

例えば、「我々の業界に降り掛かってきそうな理不尽なピンチっていうのは、この非親告罪化だけではないんです。今回、この非親告罪化のことに関してはピンチを回避しましたけど、例えば表現の規制の問題であるとか、非実在青少年の取扱いについてですとか、我々の業界はいつもですね、無知と偏見から来る弾圧に怯えてるんです」という発言。

アニメ・マンガ・ゲーム等を愛好する側にいないと、なかなか出てこない発言だと思います。他にも、いろいろと興味深い質問や発言をしておりましたので、当日の質疑の、二次創作・アニメ・マンガ・ゲーム等に関係する部分のみ文字起こしさせていただきました。


文字起こしをする動画
2016年11月22日文教科学委員会
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?ssp=27304&type=recorded



以下、文字起こし。



小野田紀美議員
「本日は大きく3点、ちょっと駆け足になってしまいますが、質問させて下さい。ひとつめ、まずTPPの締結に伴う関係法律の整備に関する法律案の中で、著作権等侵害罪一部非親告罪化についておうかがいします。TPPに関しては、今、まさに特別委員会が行われている最中でありまして。その中でも、この非親告罪化の事については、再三質問があることも十分承知している所ではあるんですけれども、文化を守るという視点から、観点から、文教科学委員会のこの場において、今一度確認をさせてください。

著作権等侵害罪の一部非親告罪化等の措置を講ずるという話が出てから、二次創作・同人界隈っていうのはずっと不安に打ち震えておりました。ご承知の通り、非親告罪化の範囲については、3つの条件、要件をすべて満たす事というのを課すことによって、海賊版などに限定されて、二次創作物に関しては、除外されることは明らか、であります。

大臣のご答弁でも政府が公開している資料でも再三そのように説明がされています。ですが、今でもまだ多くの同人界隈の方々が、TPPにより自分達の生き甲斐が奪われるんじゃないかっていうふうに、不安でいます。TPPによって、同人文化が奪われることはないんだということを、これまでも何度もご答弁いただいてるとは思うんですけれども、この場で今一度確認をさせて下さい」

文化庁中岡次長
「お答え申し上げます。TPP協定におきましては、著作権等侵害罪を非親告罪とすることが求められておりますが、その範囲につきましては、二次創作活動への萎縮効果を生じないよう、市場における著作物等の利用のための権利者の能力に影響を与える場合に限定することができるとされております。これを踏まえまして、改正法案におきましては、非親告罪の範囲を海賊版の販売等の悪質な侵害行為に限定をするということとしておりまして、具体的には3つ要件を課しておりまして。

1つめは、対価を得る目的または権利者の利益を害する目的があること。2つめには、有償著作物等について原作のまま譲渡・公衆送信または複製を行うものであること。3つめは、有償著作物等の提供・提示により得ることが見込まれる権利者の利益が、不当に害されること、となる場合であること。の全てに該当する場合に限りまして、非親告罪とすることとしてございます。

委員ご指摘の、同人誌などの二次創作につきましては、一般的には原作のまま著作物等を用いるものではないこと。また、3つめの要件でございます、市場において著作物等の正規品の販売等と競合するものではなく、有償著作物等の提供・提示により得ることが見込まれる権利者の利益が不当に害されることとなる場合との要件に該当しないため、非親告罪とならないと考えるものでございます。

こういったことにつきましてはですね、そういった二次創作者におきまして、不安にならないように、改正法の施行にあたりましても、二次創作活動への萎縮効果が生ずることのないよう、非親告罪化の趣旨や要件の具体的内容につきまして、十分に周知を図ってまいりたい。このように考えております」

小野田紀美議員
「すいません。ちなみに質問通告してないんですが、このTPPの件、将来的にその3つの要件がなくなったりとか、非親告罪化の範囲が広がるようなこともないですよね? 確認させて下さい」

文化庁中岡次長
「先程の3つの要件がございましたけれども、こういったことにつきましてはですね、先程申し上げましたように、TPP協定におきまして、市場における著作物等の利用のための権利者の能力に影響をあたえる場合に限定をするという日本の主張を踏まえて、そういうような協定になったものでございますけれども、そういったものを踏まえての法律改正の趣旨でございますので。このTPP協定という対応につきましては、この要件自体が、今後なくなるとか、そういったものは考えておりません」

小野田紀美議員
「安心をいたしました。この資料にも、親告罪のままとなる行為の中に、マンガ等の同人誌をコミケで販売する行為と。コミケだけに関わらず、オンリーも含め、同人誌即売会全てでしょうし、マンガのパロディをブログに投稿する行為。これpixivも入ると思うんですが、そういう所も含み、大丈夫だよ、としっかり明記されている。

そして、将来に渡ってもそれが確立されているということをおうかがいできて、私も安心しましたし、皆さんもホッとしてくださるのではないかと思います。

ただですね、ちょっと考えていただきたいことがありまして、ここまでオオヤケに何度も大丈夫だよというご答弁をいただいているのに、なんで未だに多くの方々が不安に震えているのかという、その思いに、少しだけ寄り添っていただけたら嬉しいなと思うんです。

我々の業界に降り掛かってきそうな理不尽なピンチっていうのは、この非親告罪化だけではないんです。今回、この非親告罪化のことに関してはピンチを回避しましたけど、例えば表現の規制の問題であるとか、非実在青少年の取扱いについてですとか、我々の業界はいつもですね、無知と偏見から来る弾圧に怯えてるんです。

『クールジャパンだ』と。『マンガ・アニメ・ゲームは海外で受ける。力を入れよう』というお考えはすごく嬉しいんですけども。例えば、文化振興に向けた政策立案機能強化のために平成13年に設けられた文化審議会の文化政策部会のメンバーに、サブカルチャー界の方はいらっしゃるのでしょうか、と。おそらくいらっしゃらないと思うんですね。

で、いろいろな文化に精通されていらっしゃる有識者の方でも、このサブカルまで網羅して内容状況を分かってる方っていうのは、稀有な存在だと思います。

で、このままですね、この業界っていうのは、ちょっとある意味特殊なところがありまして、実情を分かっていただけてない場合、この業界が表に出れば出るほど、首を締められるようなことにもなりかねないなあという、そういうジレンマもあって。

文化として認めていただきたいという一方で、でもあまり深くは触れないで欲しいという、というこのデリケートで複雑な思いを抱えている業界でもあります。

日本を好きになる海外の若者の多くは、日本のアニメやゲームがキッカケというくらいですね、ゲーム・アニメ、サブカルチャーは世界と日本を繋ぐ素晴らしい文化であるということは、間違いないと私は思っております。

ぜひですね、先程、ご答弁の中にありましたが、業界が萎縮したり足かせをつけられたりすることがない文化振興施策を今後とも業界の声に寄り添って、ご配慮いただきながら行っていただきたいと考えます。今後も様々なピンチが予想されますが、サブカルチャーの文化振興をどう考えてらっしゃるか、文化振興・文化を守る文部科学大臣のお考えをお聞かせ下さい」

松野文部科学大臣
「我が国のマンガ・アニメ・ゲームを含むメディア芸術は、広く国民に親しまれているだけでなく、海外からもですね、高い評価を受けているものであります。このようなメディア芸術は、我が国の文化振興はもとより、産業や観光の振興、地方創生、国際文化交流の推進にも大きく寄与するものと考えております。

文部科学省ではメディア芸術祭を開催し、我が国の優れたメディア芸術を国内外に発信するとともに、優秀な若手クリエーターやアニメーターの人材育成を図っているところでございます。

また、委員ご懸念のですね、同人誌やパロディなどの二次創作活動、我が国の多様で豊かな文化の形成において重要な意義を有しており、このたびのTPP協定に伴う著作権法の改正法案においては、さきほど答弁をさせていただきましたが、これらの二次創作活動への萎縮効果等を生じないよう、非親告罪の範囲を、海賊版の販売等の悪質な行為に限定をすることとしております。

理解が進んでないんではないか、というご指摘に関してはですね、これから私達も積極的に理解をいただきますように、周知を徹底をしてまいりたいと考えております」

小野田紀美議員
「ありがとうございます。我々の業界もアピールできるところは、いっぱいアピールして。また、アンダーグラウンドでいたほうがいい所はきちんと自重しながら、しっかりとこの文化振興に向けて取り組んでいきたいと思っておりますので、これからもご理解とご協力をよろしくお願いいたします」



文字起こしは以上です。当日の質疑では、小野田議員は、二次創作・アニメ・マンガ・ゲーム等についての問題以外も取り上げています。小野田議員がFacebookに自身の質問の要約を載せていますのでそちらについてもぜひご覧ください。具体的には、『外国語指導助手(ALT)について』と『放課後児童健全育成事業、施設補助について』の質疑を行いました。

 


小野田紀美議員。今回の質疑を聞いて、アニメ・マンガ・ゲーム等を愛好する人達の心に、自らも当事者として寄り添ってくれる議員さんが現れてくれたなと思いました。小野田議員のTwitterアカウントを皆でフォローして、今後とも応援していきましょう!



【参考リンク】
小野田紀美議員Twitter
https://twitter.com/onoda_kimi

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