2015年8月4日、維新の党の丸山穂高議員(大阪19区)が『日本国内では、これまでマンガなどを二次利用した同人誌即売会「コミックマーケット」等、独自のサブカルチャーがあると考える。政府はこれを文化の一つとして認識しているか』という質問を含む質問主意書を提出しました

この質問に対して、内閣は『お尋ねの「独自のサブカルチャー」の意味するところが必ずしも明らかではなく、お答えすることは困難であるが、一般に、他人の著作物を利用して行う創作活動も文化に含まれると認識している』と回答しました。

以下、質問主意書の中身と、内閣の答弁書を掲載しておきます(赤字部分が質問主意書と答弁書の中身。太字や文字の大きさの変更は管理人による加工です)。その下に、管理人の雑感を少し書きました。



 

著作権侵害の「非親告罪化」に関する質問主意書

 環太平洋連携協定(TPP)交渉をめぐり、日米など十二か国が、日本国内で関心が高い著作権侵害の「非親告罪化」について、適用範囲に制限を付けた上で導入する方向となったと関係筋が明らかにしたと報じられている。
  著作権侵害を厳しく捉える方向で議論が進んだ場合、関連する業界などの活動が萎縮する可能性があると考える。そこで、以下の質問をする。

一 TPP交渉を進めるにあたり、非親告罪の適用範囲については、著作権の活動で得た商業的な利益の程度や、オリジナルの著作物の市場価値をどこまで損なったかなど、その判断基準がしっかりと示されなければならないと考える。判断する際の項目・基準は何か。具体的な回答を求める。
 
 二 日本国内では、これまでマンガなどを二次利用した同人誌即売会「コミックマーケット」等、独自のサブカルチャーがあると考える。政府はこれを文化の一つとして認識しているかまた、この市場規模をどの程度として捉えているか。政府の見解を問う。
 
 三 非親告罪化の導入に際しては、前記文化を萎縮させないよう政府は各国による適用範囲の制限に一定の柔軟性を認める仕組みとするよう求めるべきだと考えるが、政府の見解を問う。
 
 四 著作権の権利制限について、現行の著作権法は学校その他の教育機関における複製や批評、研究等の目的での引用等個別の場合を規定していることは承知している。著作権侵害が「非親告罪化」された場合であっても、刑罰権が濫用されることを防ぐ観点から、著作権法を改正し、アメリカ著作権法第百七条に相当する規定を設けるべきと考えるが、政府の見解を問う。

右質問する。

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a189364.htm





衆議院議員丸山穂高君提出著作権侵害の「非親告罪化」に関する質問に対する答弁書

 一及び三について

 交渉の具体的な内容についてお答えすることはできないが、環太平洋パートナーシップ協定交渉においては、著作権等の保護に関する規律について議論が行われている。
  知的財産の保護ルール策定に当たっては、知的財産の権利保護と利用促進とのバランスの取れた合意を目指しているところである。
  引き続き、我が国の国益を実現すべく交渉に当たる所存である。

二について

 お尋ねの「独自のサブカルチャー」の意味するところが必ずしも明らかではなく、お答えすることは困難であるが、一般に、他人の著作物を利用して行う創作活動も文化に含まれると認識しているまた、お尋ねの市場規模については、政府として把握していない。

四について

 お尋ねについては、仮定の質問であり、お答えすることは差し控えたい。

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b189364.htm




以下、管理人の雑感です。

まず、「他人の著作物を利用して行う創作活動も文化に含まれると認識」という答弁を引き出せたのは、同人文化の未来を考えても大きいと思います。

また、丸山穂高議員の質問主意書は、同人・コスプレ文化等に打撃を与える可能性がある『TPPによる著作権侵害の非親告罪化』の問題について、同人文化等が萎縮を起こさないように深く切り込んだ内容であり、高く評価できます。(ただ、非親告罪化に関連する質問に対して、政府はあまり中身のある回答をしてくれなかった感がありますね)

なんにせよ、丸山議員はいい仕事をしてくれました。丸山穂高議員(大阪19区)のお名前はよくよく覚えておきましょう


【参考リンク】
丸山穂高議員Twitter
https://twitter.com/maruyamahodaka