2015年5月19日の参議院の文教科学委員会で、次世代の党の松沢成文議員が、グランドセフトオートというゲームを例に出しつつ、残虐なゲームの規制を求める質問を行いました。松沢議員の質問と、下村文部科学大臣他、政府側の答弁も文字起こししましたので以下に公開します。

※文字起こしは正確を心がけていますが、聞き違え等もありえますので、実際の質問の動画も併せて参照していただくことをお勧めします。



文字起こしをする動画:
2015年5月19日、文教科学委員会、松沢成文議員の質問(参議院インターネット審議中継)
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?ssp=20384&type=recorded



松沢成文議員
「次世代の党の松沢成文でございます。えー、今日は、有害ゲームソフトの規制についてですね、あのー、文科大臣中心に、内閣や経産省のほうにも、ちょっとご意見を伺っていきたいなというふうに思っています。あのー、文科大臣、これ通告してませんが、あのー、あの、まあ端的に知らないなら知らないって言って下さい。あのー、コンピューターゲームソフトでね、グランド・セフト・オートというシリーズがあって、これが世界中でものすごい売れててですね、どんなソフトか知ってましたか? あるいはやったことありますか?」

下村博文文部科学大臣
「あのー、全然存じ上げておりませんでした。今、委員のこの資料を見てですね、ちょっとびっくりしてるところでございます」

松沢議員
「あのー、まあ、大臣も忙しいでしょうし、コンピューターゲームやってる暇ないですよね。ま、ただ、私も、この問題に取り組むようになって、まあ10年ぐらい前でしたけども。まあ、やったことなかったんで、スタッフに全部やってるとこ見さしてもらって。まあ、すざまじい残虐性、残酷性ですね。まあそれで、皆さんにお配りした資料は、それ、一部のこれ、止まってる写真ですけれども。これもゲームですから、動画で動いていく。

ただ、DVDとか、そのー、ビデオ、まあ、映画と違ってですね、それを見るだけじゃないですね。ゲームですから、自分がやって、その中でどんどん殺戮、虐殺、殺害をして、それが上手ければ上手いほどゲーム、どんどん得点が上がっていくわけです。で、このゲームはストーリーがついてますから、例えば、裏切られたとかね、復讐するとか、組織犯罪が出てくる。

こういうのを全部ぶった切ったり、していくわけなんです。ですからもう、我々凡人ではですね、全く感覚的には、もうホントに合わない。もう目を背けたくなるようなゲームなんですが。ただ、好きな人はホントに好きなんですね。もうこれに没頭しちゃってる人がいる。それから特に青少年、にものすごい人気があって、実は1億、どれぐらいだったかな、1億5千万本全世界で売れてるんですこれ、グランド・セフト・オートシリーズで。ええ、それで、一番人気のあったグランド・セフト・オート3っていうのでも、日本でも30万本売れてるんですね。まあ、大変なブームだったんですね。

で、ちょっと私事になって恐縮ですが、あの、神奈川では、えー、山際先生もね、神奈川ですけれども。2005年にですね、私、知事だった時に、この残虐な内容が含まれているグランド・セフト・オート3というね、この家庭用のゲームソフトを、県の青少年保護育成条例の有害図書にはじめて全国で指定をしたんです。

で、まあ、当時ですね、重大な少年犯罪の被疑者が、このゲームの熱狂的なファンだったっていう新聞報道も結構あってですね、私も内容をチェックしました。で、まあ同様の残虐なゲームに熱中していた、この、少年の凶悪犯罪が続いていました。まあそこで、えー、この指定はですね、残虐性を理由にしたゲームソフトの、まあ全国で初めてのケースとして、注目をされたんですが、これによって18歳未満の青少年の販売が禁止されることに加えて、えー、他のソフトと区別して陳列することが、えー、この販売店には、えー、義務付けられたんですね。

で、悪質な違反者は30万円以下の罰金が課せられることになりました。で、この神奈川県が初めてやって、実は私、この、ゲームが大好きな人達には相当ネットで攻撃されました。とんでもねぇ知事だ、ということで。自分たちが大好きなこのゲーム、表現の自由があるだろう、と。それを規制するのなんかとんでもないということで、だいぶ攻撃されたんですが。

ただ、あの、全国知事会でも同僚の知事にずいぶん訴えて、神奈川についで埼玉とか千葉とかですね、どんどんこの青少年保護育成条例上、まあ今までは、あの映画とかビデオとか図書だったんですね。それに新たにゲームソフトの規制っていうのが加わって、全国に広がってったんです。

で、こうした動きの一方でですね、私、全国知事会を代表して、実は家庭用ゲームソフト関係業界団体に対して、えー、販売等の自主規制の促進も促しました。で、これを受けて、コンピュータエンターテインメントレーティング機構、いわゆるCEROという、この、業界の団体があるんですけれども。えー、それまでのレーティング区分を見直して、新たにZ区分というのを設けて、まあ、残虐性のある、ものですよね、で、それを18歳以上のみを対象とすることにして、18歳以下には売らないと、いう、まあ、努力、をしていくという、ことになったわけです。

で、まあ、こうして残虐ゲームに対する規制は、まあ一定程度進んだものの、この青少年保護育成条例という、まあ指定基準がですね、これ都道府県ごとに異なります。えー、また、ゲーム自体が従来の、この家庭用のゲーム機を中心とした形態から、スマホが出てきて、えー、そして携帯端末でのモバイルゲームにどんどんどんどん移っていったということと。

あと国境を超える、これオンラインゲームに進化していること。だから、日本で規制されてても、もう、インターネットで世界から入ってきちゃうという状況ですね、ええ。で、えー、まだまだ、そういう意味では十分ではないという状況だと思います。

で、先程も申し上げましたけれども、この図書や映画、ビデオといった、他の有害図書と異なって、ゲームっていうのはプレイヤー自身が、つまりやってる人が、主人公になって擬似的に殺人などの犯罪を体験をしていくわけでね。ええ、ですからここが全く、あの、ビデオだとか、図書とは違うとこなんです。間接体験じゃなくて、自分が体験して殺人をして、どんどん得点が上がっていくわけですから。

これすざまじい世界なんですね。ですからこれは、他の、その、媒体に比べると、極めて青少年に与える影響が大きいと、いうふうに私は思っているんです。で、そこでまずですね、これは経産省になるんでしょうか。我が国におけるこの残虐ゲームに対する規制の在り方について、どのように考えているか、まずご意見をお伺いしたいと思います」

山際経済産業副大臣
「お答え申し上げます。あのー、経済産業省のみならず、政府全体でしょうけれども、えー、共通した認識としては、今、委員ご指摘いただいたように、その、青少年保護の観点から、残虐なゲームに対して、一定の歯止めはかけなくてはいけないと、この問題意識は共有させていただいてると存じます。

えー、一方で、事実といたしまして、今どのような規制になっているかというふうに申し上げるならば、えー、委員から今、ご紹介いただいたように、民間のNPO法人、コンピュータエンターテインメントレーティング機構、CEROと呼ばれているところにおいて、えー、今のゲームは、そのZ指定ということでございますが。そのような形で、民間の規制というものに、自主的な規制に、今、お任せしているというところでございます。また、これも委員ご指摘あったようにですね、どうしてもこれは表現の自由というものとの間で、いつもせめぎ合いがあるところでございまして、我々としてはその自主的な取り組みというものを、えー、有効に、それが機能するように、しっかりとサポートするというところにとどまっているところでございます」

松沢議員
「あのー、近年のこの、青少年による凶悪殺人事件。昨年7月の佐世保の女子高生殺害事件。あるいは今年1月の名古屋の女子学生の殺人事件。えー、そしてまた2月には、まあ私も地元で、山際先生も地元ですが、川崎市の中1殺害事件と、まあ青少年による凶悪かつ異常なですね、殺人事件が相次いでるんです。

で、この殺害の動機などは、今いろいろ捜査中で、いずれも解明はされていませんけれども、佐世保と名古屋の事件ではいずれも、女子学生である被疑者がですね、人を殺してみたかったという趣旨の発言をされていた、と報道されています。

で、これらの事件と、まあ残虐なゲームとの関係性というのは、まあ明らかではありませんけれども、あの、平成11年にですね、内閣府がまとめた、研究調査の結果では、えー、ゲームセンターと、家庭用を含めたコンピューターゲームへの関与の度合いが大きいほど、暴力経験が多くなるし、非行、問題行動のある割合が、高くなる傾向が認められています。

で、海外でもいろんな研究が為されてまして、まあ海外ではですね、えー、の研究からは、暴力的なメディアは、若年者に、依存、鬱、攻撃性の増加をもたらすということが明らかにされています。

で、私ちょっと新聞で目に止まったのは、えー、川崎の中1殺害事件を受けてですね、ある教育専門家がこんなことを言ってます。《小さいころから殺戮をテーマにしたゲームやネットに、えー、が、うれている影響でしょう、と。『画面の中にあることを試したい』という子が少なからずいるのです。凶器を用意するのはアイテムを揃える感覚で、彼らとしてはあくまでも“試し使い”。だから殺すつもりがなく、逮捕されても反省の弁がないのです。殺人事件は今後、もっと低年齢化するでしょう》というふうに述べてるんですね」

(管理人注:松沢議員が引用した記事は日刊ゲンダイのこの記事でしょう→http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/157437/3

松沢議員
「さあ、そこで大臣ですね、まあ教育的カンチからも、こうした残虐なゲームが、青少年に与える影響っていうのは、大臣はどのように認識されていますでしょうか?」

下村博文文部科学大臣
「まあご指摘の通りですね、残虐または暴力的な内容のゲーム、メディアにつきましては、国内外の研究から、まあゲーム等への過度なのめり込み、あるいは暴力行為の非行、問題行動の増加、まあ社会的不適応などの悪影響を及ぼす恐れがあるということは、もう指摘されているとおりであります。まあ、子供たちが、まあ健全に成長、発達、していくことのできる環境を確保する観点からは、保護者や教育関係者をはじめとする、大人が、まあ良識を持って、こうしたゲームやメディアの影響から子供達を守る努力が必要でありますが、まあ、文科大臣の立場からすればですね、まあ表現の自由とはいえ、まあこういうものが放置するようなことがあってはならないと、まあそういう危惧を強く思います」

松沢議員
「あのー、文科大臣も、このような状況が放置されているようなことはあってはならないという危惧を持っているということでありました。まあそこでですね、この有害図書指定については、今、長野県は一部市町村でもやってるんですが、えー、他はですね、都道府県の青少年保護育成条例によって対応している状況です。あのー、私も地方分権論者でありますから、地方でできることは地方でね、えー、まあどんどん、やっていくという方針は賛成ですけれども。

ただ、これ都道府県で規制してもですね、これ日本の場合は広域自治体でも範囲が狭いですから、もう神奈川県の場合は、ねえ、川崎の子供はすぐ多摩川渡って大田区に買い物に行けますし。えー、この、都道府県の条例の規制では範囲が狭すぎてね、しっかりとした効果が上がらないんじゃないか。まあ、都道府県ごとの条例で対応するには私は限界があるんじゃないかというふうに思っているんです。

で、さらに先程申し上げたように、ゲーム自体が、従来の、まあ家庭用ゲーム機を中心とした形態から、スマホなどの、場所と時間を選ばない、携帯端末でのモバイルゲームに変化してる、ということとか。えー、それから、県境のみならず国境を越えるですね、オンラインゲームへと進化しているなど、めまぐるしい技術革新によるゲーム環境の変化、に対応できていないわけですね。

で、そこでですね、まあ憲法で保証された表現の自由との関係での整理というのは必要だと思いますが、残虐なゲーム規制を含む有害図書の指定を、まあ、新たな、まあ立法措置によって、全国一律の規制にしていくことも、私は検討していくべきじゃないかというふうに思っていますけれども、これは内閣府と経産省、両方に関わるんでしょうか。ぜひともご見解をいただきたいと思います」

赤澤内閣府副大臣
「えー、青少年健全育成を担当してる内閣府の立場からお答えを致しますが、えー、今日ホントに先生が配布された資料を見て私もちょっと衝撃を受けておりますし、ホントに懇切に内外の事件事故、あるいは調査研究の事例をご紹介いただいて、えー、まあゲームのモバイル化、であるとか、更にはまあ越境しているというような状況もですね、えー、大変あの認識を新しくしたところはございます。

で、委員ご指摘の通り、まあ残虐なゲームについて、一定のルールや歯止めが必要であるってことはもう、政府一律によく理解をしている共通認識だと思います。ただ、先程からもご議論ありますように、まあ表現の自由も関わるということ。さらにはですね、えー、委員自らご紹介ありましたが、長野県ではまだ有害図書類の指定の制度もできてない状況であり、ある都道府県においてもですね、えー、まあかなり制度の中身、具体的な内容については異なっているということで。やっぱり表現の自由の絡む、非常に国民の関心の高い議論が活発に行われる分野であると認識をしておりますので、まだなかなかですね、国民的なコンセンサスまであるかと、いうことになると、現時点ではちょっとあるとはいえない状況かな、というふうに思っております。

まあそういう中でですね、えー、我々としても有害図書類の規制のあり方について、えー、まあ様々な議論、しっかりとですね、動向を注視しながら、内閣府としては今後とも、まあ関係省庁や地方公共団体などと連携し、青少年を取り巻く有害環境への対応をしっかりと推進していきたいというふうに考えてございます」

山際経産副大臣
「今、赤澤副大臣からお答えをしたことに尽きるわけでございますが、経済産業省といたしましても、平仄を合わせて、足並みをそろえて、やってまいりたいと思っております」

松沢議員
「あのー、ぜひとも一度、おそらく各省庁のスタッフの方で、あのー、ゲームマニアいると思いますから、一度ですね、やってるところでもいいから、後ろから見ていただいて、どこまで残虐性があるのか、一度、まあ百聞は一見にしかずで、我々政治家もちょっとチェックする必要があると思うんですね。で、それをやっぱり実態をつかんだ上で、これを青少年が、好きな子は毎日のようにやってるっていうんじゃあ、これも犯罪に、もうつながる可能性は私は大だと思って、危惧を持っているんです。

まあ、そういう実態をまあよく見た上で、えー、こういう犯罪につながらないようにね、まあ政府として、どういう対応を取るべきなのか、ぜひとももちろん都道府県の青少年保護育成条例の規制に任せるだけでなくてですね、何か連携した対応が取れないか。今後ぜひともご検討いただくことをお願いして質問を終わります。どうもありがとうございました」


文字起こしは以上です。この記事について何か問題等ありましたら、管理人のツイッター(https://twitter.com/YuukiNijino)までご連絡下さい。