半官半民のクールジャパン機構の投資先企業が「肌色面積多めの美少女フィギュア」を扱っていることについて、国会で問題視された件の質問主意書が、先日提出されました(維新の党の井坂信彦衆議院議員によるもの)。質問主意書に対する内閣の答弁書が衆議院の公式HPで公開されたので取り上げてみたいと思います。

ちなみに、国会でフィギュアが取り上げられた件を知らない方は、まず、この記事をお読み下さい。


美少女フィギュアに税金投入…国会でオタク論争(東スポWeb)
http://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/social/328862/


さて、まず、井坂議員が提出した質問主意書はこのようなものでした。


クールジャパン政策におけるコンテンツ産業に関する質問主意書
提出者  井坂信彦

 平成二十六年十月十五日の内閣委員会でクールジャパン機構の投資企業がインターネットサイト上に出品しているコンテンツ産業の商品に対して、表現が過度であるとの指摘があったその後、商品に関して様々な意見を踏まえるようにとの経済産業省からの指導を受け、結果、企業が商品を取り下げることとなった
  この事実に関し、政府のクールジャパン政策におけるコンテンツ産業に関する認識不足の懸念があるため、次の事項について質問する。

一 平成二十七年二月に公表された経済産業省の資料「クールジャパン政策について」では、コンテンツの「関連商品販売等へ波及効果」をクールジャパン政策のねらいに位置づけている。今回指摘がされた企業の事業は、クールジャパン政策が掲げる前述のねらいに合致している。企業が政府の政策と合致している事業及びコンテンツを提供したにも関わらず、同企業は政府の指導によって販売を差し控えた。今後政府として、官民ファンドの投資先事業の表現の過激さ等、内容に関して指導を行うことはあるか
 二 過激な表現の商品を出品していると指摘がなされた企業は、版権元から許諾を得た高品質な正規品のみの取り扱いをポリシーとしている。クールジャパン戦略で対象としているアニメ、漫画、キャラクターは広範囲にわたり表現の規制は困難であり、また表現の規制によりコンテンツ産業の市場が委縮することは避けなければならない。表現の過激さ等、具体的な規制の基準や線引きはあるのか。政府としてクールジャパン戦略の投資に適し、海外展開されるべきアニメ、漫画、キャラクター等のコンテンツ産業は具体的に何を想定しているのか

 右質問する。

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a189113.htm
(クールジャパン政策におけるコンテンツ産業に関する質問主意書 - 衆議院公式HP)


井坂議員の質問主意書は、「今回指摘がされた企業の事業は、クールジャパン政策が掲げる前述のねらいに合致している」「表現の規制によりコンテンツ産業の市場が委縮することは避けなければならない」とするなど、どちらかと言うとフィギュア擁護の立場に立っているように見えます。

そして、内閣からの質問主意書に対する答弁書は以下のようなものでした。


 衆議院議員井坂信彦君提出クールジャパン政策におけるコンテンツ産業に関する質問に対する答弁書

 一及び二について

 コンテンツ産業において、お尋ねの「表現の過激さ等」については、各事業者が、法令による規制を遵守した上で、表現の自由とのバランスを勘案しつつ、社会通念に照らして自主的に判断するものと考える。なお、御指摘の「今回指摘がされた企業」が販売する商品については、経済産業省から株式会社海外需要開拓支援機構に対し、当該商品に関する国会での議論を伝達し、これを受けた同機構と当該企業とによる協議の結果、当該企業が自主的な経営判断として、当該国会での議論において指摘がなされた商品を含む当該企業が扱う商品の一部の販売を停止したものと承知している。
  政府としては、我が国の生活文化の特色を生かした魅力ある商品又は役務の海外における需要の開拓につながるようなコンテンツの海外展開を推進してまいりたい。

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b189113.htm
(衆議院議員井坂信彦君提出クールジャパン政策におけるコンテンツ産業に関する質問に対する答弁書 - 衆議院公式HP) 

「表現の過激さ等、具体的な規制の基準や線引きはあるのか」という井坂議員の質問に対しては「各事業者が、法令による規制を遵守した上で、表現の自由とのバランスを勘案しつつ、社会通念に照らして自主的に判断するものと考える」と回答しています。また、クールジャパン機構の出資企業が国会での議論で取り上げられた商品を販売停止にしたのは、その企業による自主規制だ、と言ってます。