2015年1月28日に放送されたニコ生の中で、二次元規制反対派の山田太郎議員が「児童ポルノに関連して為されたAmazonへの強制捜査が、もしかしたらアニメやマンガ等への自主規制に繋がる可能性がある」という趣旨の発言をしました。その他、フランスのテロ事件と表現の自由の問題、ISILの人質事件と表現の自由の問題、自民党の憲法改正草案における表現の自由の問題等、アニメやマンガの自由にも関わる問題について解説してくれました。山田議員の実際の発言を文字起こししましたので公開します。

文字起こしの担当者は虹乃ユウキフグリさんで、記事の編集及び最終チェックを虹乃ユウキが担当しました。


文字起こしをする動画:
国会開会!表現の自由と国会審議、元気会はどう出る!参議院議員・山田太郎のさんちゃんねる
http://live.nicovideo.jp/watch/lv208304657
(上の動画の19分35秒付近から文字起こし)

上の動画が見られない方は、近いうちに同じ動画が山田議員の公式HPで公開されるはずなのでそちらをごらんください。



【発言者紹介】
山田太郎氏:新党「日本を元気にする会」政調会長。マンガ・アニメ・ゲーム議員連盟事務局長代行。コミケ街頭演説で有名。児童ポルノ法や青少年健全育成基本法による表現規制に反対して、積極的に活動している。元俳優の山本太郎議員とは別人です。

坂井崇俊氏:山田太郎議員秘書。『エンターテイメント表現の自由の会』(AFEE)代表。

遊佐めぐみさん:声優。AFEEナビゲーター。 



以下、文字起こし。



山田議員
「それからもうひとつですね、えーと、関心事が高いだろうことでは、Amazon問題に行きますかね」 

坂井秘書
「Amazon。Amazon(問題)は今作ってます、質問主意書を


【注:Amazon問題とは、この事件のこと→https://twitter.com/KenAkamatsu/status/558826996336041984。ようはWeb上にあるAmazonのマーケットプレイスで児童ポルノが取引されたため、Amazonが警察に家宅捜索されたということです。マーケットプレイスでの取引においてAmazonは注文の取次と代金回収だけを担当。Amazonは売買の為の場を提供するだけであり、商品の取引はマーケットプレイスを借り受けた企業(or個人)と消費者の間で為されます。つまりAmazonにはマーケットプレイス上で児童ポルノが取引されているという認識はなく、マーケットプレイスを借り受けた企業(or個人)が消費者との間で勝手に児童ポルノの取引をしたということですね。マーケットプレイス上で借り手が勝手に行ったことについて、Amazonは刑事責任を問われるべきなのか、というのが今問題となっています。ただ、法律的な話について管理人は素人なので、専門家による解説として、コチラコチラを参照することを強く推奨します

【注:質問主意書とは、国会法第74条に基づき国会議員が内閣に直接質問できる質問文書内閣には7日間以内に回答義務がある】 


山田議員
「で、実はこの間ですね、Amazonが、まあ児童ポルノの関係にもよるんですが。まあ、ようはAmazonの中に、まあ児童ポルノの類がありまして、えー、それがですね、まあAmazonを経由して売られたと。で、amazon側の言い分としては、たーくさんある、まあ、その、Amazonで売ってるものの中から、オートマティカリーにインフラを提供してるだけなので、決して我々は意図的に売った訳じゃないので分からなかったと、まあこういうふうに言い訳をしてるんですが、基本的に家宅捜索をされて、今捜査中ということで。えー、Amazon自身が法人として逮捕される可能性があると、まあいうことなんですよね。

えー、で、これはですね、結構実はですね、それ自身であれば、なるほど、まああのー、そういったネットでもって、えー、児童ポルノの類を売るのはけしからん、ということで、それ自身は分からなくはないんですが。ちょっとこれによる影響はものすごい大きいだろうということで、えー、実は考えてます、はい。どの辺がポイントになるかってところですね」

坂井秘書
「えー、これポイントはですね、今Amazonのやつは、まあAmazon自身が売ってるやつじゃなくて、いわゆるそのー、場を提供してるだけの話なんですね。で、そこにまあ、えー、三次元の児童ポルノを置いてたと。で、そうすると、まず、それでAmazonが逮捕されちゃうのかっていうのが1個? 逮捕っていうか、まあ家宅捜索を受けるのがちょっとやり過ぎなんじゃないか

で、問題はですね、ここからなんですよ。あのー、Amazonって、えーと、クラウドサービスを提供してるんですよね、AWSっていう。で、そこにはですね、たぶんマンガとか、アニメの…。もしマンガやアニメが児童ポルノになったら、まあヤバイものがいっぱい置いてあるわけですよ。で、そっちまで家宅捜索の対象になってる可能性があるんですよ、今」


(注:念のため書いておきますが、現行の児童ポルノ法では、実在児童の姿態を描写したと認められるものを除き、マンガやアニメは児童ポルノに該当しません。)


山田議員
「なるほど。もう捜査はされてるんじゃないかと」

坂井秘書
まあ令状があれば、別に、その、サーバーをね、押収するのは、いいじゃないですか

山田議員
「うん」

坂井秘書
「で、Amazonが何か物を売ってるサーバーじゃない、ホントのクラウドの方を、捜索してる可能性があって、ちょっとそこは、チェックをしなきゃいけないな、とで、もしそんなことになるとですね、今度は、その、Amazonなりプロバイダーがですね、まあ自分とこのサーバーに置いてあるものまでチェックをしなきゃいけなくなる。ようはうちのサーバーに児童ポルノが置いてあるのか置いてないのかっていうのまでチェックしなきゃいけないんで、それはじゃあ通信の秘密と比べてどうなんだと、いうところもあってそこらへんを少し質問主意書で月曜日ぐらいに出そうかな、と

山田議員
「あのー、まずですね、『海外サーバーの場合どうか?』って質問が(ニコ生の)コメントの中であったんで。通信事業者は、あくまでも国内向けの法律なので、いわゆる国内にサーバーがある場合っていうことなんですけれども。

えーと、まあ実際ですね、えー、まあ、この問題はちょっと大きくてですね、えー、かなり自主規制が、もしかしたら二次元のほうにも進む可能性が高い。で、捜査どこまでするか、ということによってですね、連続して家宅捜索の可能性があれば、えー、Amazonのですね、そういう、まあ、創作物に対する扱いは、あのーいわゆる、壊滅的な状態になる可能性があるということで。えー、ちょっとその辺は、どうなのかということを。あれは誰に対して宛ててんの? 内閣なんだけど、実際法務省?」

坂井秘書
「法務省と、まあ、電気通信事業法があるので総務省、それから、関税法があるので、えー…」

山田議員
「財務省ね。財務省ですね。それに対して、どういう見解を政府として持ってるかということで、この見解次第によってはですね、相当自主規制が進んでかなり厳しい状態になるんじゃないかなあと、いうふうに思っているので、結構緊張感を持ってですね、今回、質問主意書を作って、まあ内閣にはぶつけようと

で、本当はですね、本予算の予算委員会で結構時間があれば、この件に関してはですね、大臣をひとりひとり呼んで、目の前で直接質問しようと思ってるんですけれども。今回はですね、補正予算ということで、またこれはひどい話で、補正予算て3.5兆円くらい決めるんだけど、なんと参議院で2日、衆議院で2日ぐらいしか、時間がないんですね。で、我々のですね、質問できる時間も、まあ、たぶん片道5分から10分。えー、上手く使ってもですね、20分ぐらいしか。トータル15分から20分も時間が取れないので、そうすると実際には質問がまあできないということになりますから。

えー、まあ質問主意書でもってですね、変な解釈でもって捜査がされて前に進む前にしっかり抑えとかなきゃいけないと、いうふうに思っているので、これはやりましょう。で、この辺の通信の問題であったりだとかっていうことは、マスコミも全く取り上げないというか、まあ理解ができてないというところもあってですね。非常に、あのー、まあ厳しい状態に今あるということだけですね。

えー、波及がですね、今回Amazonに関しては、問題が大きいだろうということを、まあ捉えていまして。で、これはもうAmazonだけの問題には済まないのかなあと、いうふうに考えていますので。ちょっとこれは、しっかり質問主意書をですね、まあ早ければ明日、には出してですね、来週回答を求めて、政治問題としてですね、徹底的にまあ表現の自由等をですね、守るということで、頑張ってやっていきたいというふうに思ってます

ということで、たぶん皆さんの本来関心事が高い、えー、ISILの問題、イスラム国の問題も大事ではありますけれども、まあその中で隠れてしまっているですね、社会秩序に対する考えだったりだとか、表現の自由を守るということに関しては、待ったなしですので、どんどんですね、あのー、まあこういうところについては監視をしっかりやっていきたい。まあこういうふうに思ってるわけです」

山田議員
「で、あとですね、あの、もう随分前のような話になっちゃったんですけど、フランスの表現の自由の問題について、前回やってくれっていうのもあったので、少しこれについてはですね、ま、時間があまりないので、触れるだけに少ししときたいというふうに思っているんですけれども。

あのー、まあ、例のフランスのですね、表現の自由を巡ってですね、イスラムを馬鹿にしたんじゃないかというような風刺画、これに対してですね。何人の方がやられて亡くなっちゃったんだっけ」

遊佐さん
17人です

山田議員
「17人だよね。あ、調べたんだ。じゃあちょっと遊佐めぐさんから、せっかくなんで報告していただきましょう」

遊佐さん
「フランスで1月7日、8日、9日と連続でテロ事件が起きました。犠牲者は17人に上り、フランスにとって過去50年で最悪のテロ事件となり、フランス人の中には2001年、アメリカで起きた同時多発テロになぞらえてフランスの9.11と呼ぶ人もいます。特に今回はテロの標的が新聞社となったことで多くの人はフランスが尊ぶ表現の自由が脅かされたと感じています。一連の事件の容疑者は、いずれもイスラム過激派組織に関係があったと見られています」

山田議員
「はい。最近、アシスタントっぽくなってきたね」

遊佐さん
「はい、やっと(笑い)」

山田&坂井
「(笑い)」

山田議員
「まあ、事件としてはこういう事件だったんですが。で、当初はですね、表現の自由を守るということで、色んな首相クラスもですね、やってきて、列に並んでですね、頑張って『フランスの表現の自由を守っていくんだ』と、『世界の表現の自由を守っていくんだ』なーんていうことを言っていたんですが。

ややですね表現は行き過ぎているんじゃないかとか、それによってですね、イスラムの諸国というかですね、えー、と対峙、戦ってもしょうがないじゃないか、と。で、あるいはですね、自主規制もやむをえないんじゃないかという論調がその後、実は非常に広まっていてですね

どちらかというと日本国内は世論はですね、どちらかというと、そういう揉めるぐらいであれば自主規制もやむなしなんじゃないかっていうような世論が実は強くなってきていると。

で、私は別にこれをですね、表現の自由を、権利を守るためにということで、何でもかんでも描いていいんだよということではないのかもしれないけれども、ただちょっと、針がですね、あまりにも表現の自由というのはある程度規制しないと、かえってですね、こうやってテロの標的にもなりかねないと、こういうような論調がちょっと出てきていてですね。

結構、国会議員の間でも表現の自由に関しては公共の福祉だったりとか、それこそ安全、えーですね、安全保障の問題からやむなしなんじゃないかという空気が、めちゃくちゃ今強くなっていると、いうことを皆さんにお伝えしておかなければいけないと。

で、それを巡ってですね、漫画の方にも飛び火しそうだと。というのはなぜかっていうと国際的にもやっぱりじゃあ日本の表現の自由っていうのはエロの漫画も含めてですね、いきすぎなんではないかということも、一緒に考えるべきだっていう意見がですね、国会の中ではですね、静かに出てきていると。

ま、いうことなので、あのー、これはですね、皆さんと一緒にですね、『ちょっと話の論調と組み立てが全然違うよ』と、いうことを、まあしっかりですね、あのー、主張していきながら、もしそういうことでもってですね、表現の自由が侵される、またはですね、いわゆる青少年健全育成基本法みたいなものを早急に立ち上げなければならないというような。

で、勝負は多分ですね、何度も言っているんですけれども、予算が終わった後、ゴールデンウィーク明け、非常に厳しい状態になると思っていますので、えー、そのあたりですね、少しやっていかないと、まずいなと。

多分言ってくるのは、その、『フランスのような状況下の中で、何でもかんでも表現の自由って言ってられないでしょ』。テロに巻き込まれるっていう話が、なぜかいわゆる漫画とアニメの規制にまで、まあ繋がる可能性があるというですね、ちょっとそういう空気感がですね、今、出てきていると。

それと、これも前回やったかもしれませんが、憲法の議論もですね、いよいよ通常国会、どこかで始まるんではないかと言われてまして、そうなるとまぁ、自民党がですね、新たな憲法草案を出してくるということ、よく言われてます。で、自民党の方はですね、自民党の新憲法草案ていうのが出てまして。ま、簡単に言うとですね表現の自由からいくと憲法の21条(表現の自由)を随分制限していこうというちょっと主旨が、意図が強いんですね。

で、公共の福祉(※1)に反するようなものは、いくらなんでも表現の自由は自由ではないよと、まあこういうような論調で、変えていきたいというところがあってですね。まあいずれにしても、まあ為政者からするとですね、表現なんか自由にさせておくとですね、自分達が管理しにくいです。統治しにくいので、ま、おさえこんでしまおうと。


(※1: 山田議員は「公共の福祉に反するようなものは」と発言していますが、恐らく言い間違いです。自民党の最新の憲法改正草案では「公益及び公の秩序を害する目的の表現の自由は認めない」と読めるものになっており、現行憲法よりも表現の自由への制約を強めるものとなっています。詳しくはこの記事を参照して下さい。→http://wpb.shueisha.co.jp/2013/07/01/20106/

 
 
で、何度も言ってますが、2020年にオリンピックもあると。ま、そういうこともあるので、ここで社会秩序をですね、しっかりやって、テロにもエロにも屈しないというですね、不思議なちょっと論調にですね、ま、ならないようにですね、まさに公共の福祉の乱用が起こらないように、特に社会法規性というかですね、あのー、公益性が高いものに関しては、しっかりチェックをして

あの、どうしても今、国会議員はですね、社会法益が強い法律を通したがっているところが、すごいあるんですよね。ということで、ちょっとそのあたりはですね。よくこいつ煽っているとか何とかって言ってますけど、知らない間にどんどんそうゆうものは進んでいきますので、ちょっと、きちっとやっていきたいなというふうに思ってます

坂井秘書
「あの、イスラム国というか、ま、ISILのやつが、えー、暗殺教室もたしか、なくなちゃった。なくなっちゃったというか、放送延期でしたっけ?」


(注:ISILの人質事件に関係する一連の自主規制騒動についてはこの記事参照→http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1501/27/news052.html 


山田議員
「そうなんですよ、今回、くだらないっていう人もいるんですけれども、今回のケースでもってですね、やっぱり自主規制が一部進んでます。過剰反応じゃないかっていうふうによく言われてるのはですね」

坂井秘書
「ミュージックステーションですね」

山田議員
「うん、そうそうそうそう。ミュージックステーションで」

坂井秘書
「ボクそれ何て読むか分からなかった」

山田議員
「え、えー、『凛として時雨』で、『ナイフ』となっている部分を『フェイク』というふうに」

坂井秘書
「変えたりとか、『血だらけの自由』かな?」

山田議員
「ま、変えたりと。これは別に自主規制は自主でやっているからいいのかもしれないんですけど、そういうのが当たり前だっていう風潮になってっちゃうとですね、やんなきゃいけないみたいな強迫観念にみんな、なってちゃうと」

坂井秘書
「KAT-TUNもDead or Aliveもやめたらしいですよ」

山田議員
「あ、そう」

坂井秘書
「Dead or Aliveという曲名だからって、ちょっとやり過ぎな気がしますよねぇ」

山田議員
「それからアニメでもってですね、これは暗殺教室か。第三話がですね、キャラクターがナイフをふりまわす表現だったんで内容がふさわしくないと判断して別のものに変えたと。とまあいうようなことで、ま、これ以外にももしかしたらあるのかもしれませんが。実態が全部掴めていないんですけれども。

なんかあるとですね、表現ってのはけっこう、自主規制されるっていう風潮が当たり前のようになってきてしまったと。まあいうことなので、どんどんどんどん、これはもうダメ、あれはダメっていうバーが今上がりつつあると。いう感じなんで、ちょっとこのあたりですね、怖いなぁという感じもしています。

ということで、ま、表現の自由って単純にまぁ政治的な問題だけじゃなくて、そういったですね、自主規制っていうのは一番、敵が誰だか分からないという、敵だか味方だか分からないというような状態になっちゃいますので。そのあたりをですね、ちょっとしっかりやっていきたいと思います。いずれにしても法律とか云々ってなれば、自主規制はもっと加速化しちゃいますので、少し気をつけて行きたいと思ってます



文字起こしは以上です。山田太郎議員は、児童ポルノ法や青少年健全育成基本法によるアニメ・マンガ・ゲームの規制に反対の立場で、国会の内外で精力的に活動してくださっている議員さんです。山田議員のニコ生は毎週水曜日22時から放送されています。放送では頻繁に二次元規制問題について取り上げて下さっています。

 【参考リンク】
参議院議員・山田太郎 ニコニコチャンネル

山田太郎議員ツイッター

エンターテイメント表現の自由の会(AFEE)ツイッター

記事について何か問題等あれば、ブログ主のツイッターにご一報下さい→https://twitter.com/YuukiNijino