『TPPによる著作権侵害の非親告罪化』が同人文化に悪影響を与える可能性は、以前から指摘されてきました。この問題に以前から取り組んできた山田太郎議員は、質問主意書を使ってこの件について内閣に質問してくれました。質問主意書の内容については下の参考記事を参照して下さい。

参考:山田太郎議員、同人文化に悪影響を与える可能性がある『TPPによる著作権侵害の非親告罪化』について留保を求める質問主意書を提出へ - 二次元規制問題の備忘録 http://nijigenkisei.ldblog.jp/archives/41321809.html

2014年11月25日、山田議員が提出した質問主意書に対する内閣の答弁書が送付されました。参議院のHPにアップされた内閣の答弁書はこちらです→http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/187/toup/t187091.pdf

そのままの状態だと読みづらいので、答弁書を文字起こししました。以下の赤字の部分が内閣からの答弁書です。


答弁書第九十一号

  内閣参質一八七第九一号
     平成二十六年十一月二十五日
内閣総理大臣 安倍晋三
参議院議長 山崎正昭 殿

 参議院議員山田太郎君提出環太平洋パートナーシップ(TPP)協定における著作権の取扱いに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


参議院議員山田太郎君提出環太平洋パートナーシップ(TPP)協定における著作権の取扱いに関する質問に対する答弁書

一について
 お尋ねについては、我が国が留保を付して締結した知的財産に関する条約の最近の例として、第百八十六国会において締結を承認された視聴覚的実演に関する北京条約が挙げられる。

二について
 お尋ねの「著作権を保護する上で障害となっている事実」の意味するところが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難であるが、平成二十一年一月の文化審議会著作権分科会報告書においては、著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)における親告罪の範囲の見直しに関し、「海賊版の組織的な販売等のように一見して悪質な行為については、国民の著作権に関する規範意識の観点から、権利者が告訴の努力をしない限り侵害が放置されるという現状は適切でない」との意見や、「著作権等の侵害実態の調査等に時間を要する場合など、告訴期間(六ヶ月)の経過により告訴できないという事態を避けるべきである」との意見等があった。

三について
 環太平洋パートナーシップ(以下「TPP」という。)協定交渉において、著作権等の保護に関する規律について議論が行われているが、「TPP協定において、著作権侵害が非親告罪化される」ことを前提としたお尋ねに対して政府の見解を明らかにすることは、交渉内容そのものを明らかにすることとなり、現在TPP協定は交渉中であることから、詳細についてお答えすることは差し控えたい



この答弁書に対して、山田太郎議員が26日に放送されたニコ生でコメントしました。答弁書は事実上のゼロ回答だったため、山田議員はこの件についてさらに質問主意書を提出する構えのようです。山田議員の実際の発言を文字起こししましたので公開します。

文字起こしをする動画:
山田太郎のみんなのさんちゃんねる
http://live.nicovideo.jp/watch/lv201145792
(上の動画の28分45秒付近から文字起こし)

上の動画が見られない方は、近いうちに同じ動画が山田議員の公式HPで公開されるはずなのでそちらをごらんください。



【発言者紹介】
山田太郎氏:参議院議員。コミケ街頭演説で有名。児童ポルノ法や青少年健全育成基本法による表現規制に反対して、積極的に活動している。元俳優の山本太郎議員とは別人です。

坂井崇俊氏:山田太郎議員秘書。『エンターテイメント表現の自由の会』(AFEE)代表。

音喜多駿(おときたしゅん)氏:東京都議。


山田議員
「で、まあ、結論としてはですね、えー、『環太平洋パートナーシップ協定交渉において、著作権等の保護に関する規律について議論が行われているが、「TPP協定において、著作権侵害が非親告罪化される」ことを前提としたお尋ねに対して政府の見解を明らかにすることは、交渉内容そのものを明らかにすることとなり、現在TPP協定は交渉中であることから、詳細についてお答えすることは差し控えたい』と。

つまり、通商交渉は秘密交渉だから、言えないと、こう言っちゃってるわけですよ。だけど、気をつけなきゃいけないのは。これちょっと音喜多さん、都議会議員の知識として聞きたいんですが、条約と法律とどっちが上だと思う?」

音喜多都議
「条約じゃなかったでしたっけ?」

山田議員
「おお、よく知ってるね。さすが」

音喜多都議
「政治学科なんで(笑い)」

坂井秘書
「さすが!」

山田議員
「おお、さすがー! あのですね、みなさん知らないんですが、条約のほうが法律より上なんです。あの、憲法のが上です。憲法の次に条約なんです。条約の次に法律なんです。だから、条約を結んだ後、法律と矛盾したらどっちが優先されるかっていうと、条約が優先されますそれはなぜかというと、憲法の96条だっけ?(注:憲法第98条のことを言っていると思われます) 憲法の方に、国際協定の約束は、守らなければいけない

坂井秘書
「順守する」

山田議員
――順守しなければいけないっていう、憲法の条項があるだけで、法律より上だっていう解釈がされてるので、条約が結ばれてしまったらば、残念ながら批准に失敗したとしても守らなきゃいけないってことが起こっちゃうんですよ。ということなので、これ秘密交渉だってふざけたことを言ってるんだけど。現実的には、政府が勝手にですね、国会の法律を通さなくても条約という形でもって、通すことができちゃうという非常にですね、法律の立て方の中でも間違ってる

で、アメリカは国の作り方が違っていて、条約よりもアメリカ国内法のほうが上なんです。だから、アメリカ大統領がいわゆる条約を結んだとしても、あのー、連邦議会の方に持ってきて批准されなければ、アメリカでは守る必要がありません、条約は。

日本は逆なんです。条約のほうが上に行っているので、政府が条約を結んできてしまうとですね、結局、法律…。いわゆる、国会がどんなに、えーと、いわゆる批准をしなかったとしても基本的にそれが生きてる以上守らなきゃいけないと。こういうことになっちゃうんですよ。

ということで、これとんでもない話なんですよね、こういうことは。だから、もう1個、条約と法律とその辺も書いて、故に、勝手に結んだっていうことは、あの国民だとか国会軽視にあたりませんか? っていうことを、ちょっと次、やろうかと思ったら国会が閉会になっちゃった(笑い)」

一同
「(笑い)」

坂井秘書
「まさかの解散」

山田議員
「そうなんです。だから、えーと、しょうがない、そうなんですよ。国際条約における憲法の考え方は、実は日本に主権があるかどうかってことまで疑いたくなるような建て付けなんで、どうもGHQはこれを埋め込んだんじゃないかな、というように、私は、えーと、うがった見方すらするんですけれども。まあ、残念ながら日本の憲法はそうなってると、まあいうことなんですよね。

ということなので、えー、国会が開いたらですね、えーと、通常国会…、あれ? 特別国会中って出せるの?

坂井秘書
「2日間、3日間出せますよ」

山田議員
2日間。あ、そう、じゃあ出そうか、サクッと。あのね、14日に選挙終わると思うんだけど、その後ですね、あのー、まあ衆議院が固まる1週間後ぐらいに、2週間後ぐらいかな? えーと、首班指名と言ってですね、総理大臣を選ぶための『特別国会』というのが開かれます。で、2日ぐらい。えーと、その間一応国会は2日間だけ開きますので、その瞬間ズボッと。あのー、やろうかと、思ってますけどもね」


文字起こしは以上です。山田太郎議員は、児童ポルノ法や青少年健全育成基本法によるアニメ・マンガ・ゲームの規制に反対の立場で、国会の内外で精力的に活動してくださっている議員さんです。山田議員のニコ生は毎週水曜日22時から放送されています。放送では頻繁に二次元規制問題について取り上げて下さっています。

 【参考リンク】
参議院議員・山田太郎 ニコニコチャンネル

山田太郎議員ツイッター

エンターテイメント表現の自由の会(AFEE)ツイッター

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