2014年7月2日に放送されたニコ生で、児童ポルノ法によるマンガ規制に反対する立場から自民党への働きかけを行ったマンガ家の赤松健先生と、国会におけるマンガ・アニメ規制反対運動で中心的な役割を果たしている山田太郎議員(みんなの党)対談を行いましたその中で赤松先生と山田議員が「もう事実上、児ポ法関連ではマンガ・アニメ規制はできない」という趣旨の発言をしました。お二人の実際の発言を文字起こししたので公開します。



文字起こしをする動画:
山田太郎のみんなのさんちゃんねる
(上の動画の0分53秒付近から文字起こし)

上の動画が見られない方は、近いうちに同じ動画が山田議員の公式HPで公開されるはずなのでそちらをごらんください。




【発言者紹介】
山田太郎氏:みんなの党所属の参議院議員。コミケ街頭演説で有名。児童ポルノ法や青少年健全育成基本法による表現規制に反対して、積極的に活動している。元俳優の山本太郎議員とは別人です

坂井崇俊氏:山田太郎議員秘書。『エンターテイメント表現の自由の会』(AFEE)代表。



以下、文字起こし。





山田議員
「今日は、豪華、贅沢。赤松健先生に来ていただきました。どうもありがとうございます」

赤松先生
「赤松です、よろしくお願いいたします」

山田議員
「いやあ、もう、赤松先生といえば、児ポ法。裏の番長」

坂井秘書
「(笑い)」

赤松先生
「赤松と言えば! これ、『UQ HOLDER!』ね(笑い) 週間少年マガジンで連載中です。3巻出ました。よろしくお願いしまーす」

山田議員
「どんどん宣伝してくださーい」

坂井秘書
最近、漫画家協会の理事にも

赤松先生
理事になりました

山田&坂井
「おめでとうございます」

山田議員
「理事っていうのは何やるんですか?」

赤松先生
「いや、ちょっとよく分かんないです(笑い)」

一同
「(笑い)」

山田議員
「そうですかー。今日はもう、じっくりですね、児ポ法改正案の裏話というか、お互いちょっと少し、慰めあうっていうと――」

一同
「(笑い)」

坂井秘書
「お疲れ様会」

山田議員
「健闘を讃えて」

赤松先生
「それはあれですよ。例えば、山田先生の所に出版だとか漫画家協会だとかっていう所から正式なお礼みたいなのが来てないでしょう?

山田議員
「ないんですよ」

赤松先生
「来てないですけど、それはね、山田先生が、議連とかね、そういうあれだったらいいですよ。個人でやられてるので、なかなかこう、正式にはつるみにくいんですよ

山田議員
「ああ、なるほど。議連を作れと。やります。やります、じゃあ」

赤松先生
ただね、みんな、感謝はしてます! してまして、コレ! ちばてつや先生から(と言って、ちばてつや先生直筆と思われる、『あしたのジョー』の白黒イラスト&サインの色紙を山田議員に手渡す)

山田議員
「すごい! あらあらあら、ちばてつや先生! すごい!」

赤松先生
山田太郎先生、素晴らしい働きで、感謝の

山田議員
「ありがとうございます、ありがとうございます。いやいや、とんでもないです。ありがとうございます。これ、部屋に飾っておきますので」

赤松先生
「みんなね、本当はね、感謝はしてます。出てこないだけで。そうですよね、皆さん、ね?」

山田議員
「まあでも、議連を作れってことだったので、表現の自由を守る議員連盟でも。ただね、議連の問題点っていうのは――」

(中略:山田議員から議連を作ることのリスクについて説明、等々)

山田議員
「あのー、さっきも先生に言われましたからね、赤松さんに。いやあ、この領域(≒表現規制反対)をやってると選挙で勝てなくなる

一同
「(笑い)」

山田議員
票にならないし選挙に勝てないって言われてですね。あ、そっかー、とか思ったんですけど、まあまだ、2年ありますから。命があるかぎりは頑張ってやります。気にせずに、はい。それぐらいね、ホントにね、今回規制反対ってやってた人達が、やっぱり選挙で負けてっちゃうんだよね」

赤松先生
「そうですねぇ」

山田議員
「そういうことがあって、私もね、周りを振り返ったらね、見回したら仲間がいないんだよ」

赤松先生
誰もいない(苦笑)

山田議員
「仲間がいないんだよ(笑い)。それでどうしようかな、と。で、かなり衆議院段階ではエグかったんですね」

赤松先生
「ああ・・・」

山田議員
「実は、ちょっと赤松さんに裏話、1個だけ。冒頭ですからやっときますと、附帯(決議)を参議院議員で付けた。で、その時に赤松先生はびっくりしちゃったと。来たか、と」

赤松先生
「そうです。あのー、元々はね、我々の方で、自民党を、ある程度は、固めることができたんですよ。いうことがあって、もう附則第2条(≒漫画・アニメの悪影響調査を行うことを政府に求める内容の附則)は取れそうだということが分かってたんですよ」

山田議員
「マンガ・アニメの、うん」

赤松先生
それを確定させたくて、委員長提案はね、すごく、だから、良かったんですよ。はらはらしないから。それで、衆議院はしかもそれで、質疑をやって、委員長提案でスッと通っちゃったと。

で、参議院で、ちゃんと(審議を)やってったと。で、結果的には、山田先生が正しかったですけれども、私はあの瞬間に、『あー、ちょっとあんまりいじらないで』とは思ってたんですけど。それで、最後に附帯決議、来たもんだから、もう真っ青ですよ(苦笑)

山田議員
「どういうことかって、ちょっとだけ簡単に言っておきますと。実際の法文、法案に対して、附帯決議っていう、法律を作ったものに対して、こう、守らせたり…、まさに附帯のこう…、ものを付けるんですけど。何が付きそうだったかって言うと、実は、漫画とアニメについての検討をしなさいという附帯(決議)が付くかもしれないっていう噂はずーっとあったんですよ」

赤松先生
「うん」

山田議員
「でね、我々も実は緊張感(の中)にあったのは、衆議院段階の(児童ポルノ法改正案の)法務委員会の議論の中では、相当マンガとアニメについては、これから検討するべきだっていうふうな質疑の流れになっていたので。僕らもね、実は参議院段階でこれが付いたらマズいなと思ってたんですよ。そのね、ちょっとね、空気感があったんですよ」

赤松先生
「ああー・・・」

山田議員
「もう衆(議院)であそこまで行っちゃったから。というのはね、あそこに居た、法案提出者の人達も立場なかったの」

赤松先生
「なるほど」

山田議員
マンガとアニメの第2条、附則を相当、逆に言うと、強引に彼らは外した

赤松先生
「はい」

山田議員
それを良く思わない議員に次々と『なんで外したんだ!』って責められまくったんですよ(注:恐らくは衆議院法務委員会での児童ポルノ法審議の内容について言っている)」

赤松先生
もうすごかったですよね

山田議員
で、僕がやったのは、参議院段階ではもう、逆の雰囲気にしようと

赤松先生
「なるほど」

山田議員
もう、この法案自身問題でしょ? と。そもそもが、と、いう雰囲気にするために、もういろんな、各、与党野党、少し議論を事前にしといたりとか。それから、実は、法案提出者の人達とも、相当事前にやったりとかする中ででも、やっぱり附帯が出る可能性はあったので、それを探るには、こっちが附帯をぶつけとくと、他に附帯があるとすり合わせがあるんですよ

赤松先生
「なるほど」

山田議員
だから、(附帯決議案を)とりあえず出しといた。で、出したのも、まあ、これに対して6項目。もっと厳しいものを出したんですけど、削られるの覚悟で、厳しい物から削られて(3項目が)残ったと

ただ、(附帯決議案を出して)なんでもう一つ良かったかというと、我が党もそうですし、私も衆議院議員じゃなかったので、衆議院段階の(児童ポルノ法の)実務者会議の中に入れなかった

赤松先生
「うん」

山田議員
実務者の中に入っておくと、何か法律が実際に暴れちゃった時に、法案を作ったヌシなんだから、こういう意図で作ったはずだって後から主張できるわけですよ」

赤松先生
「はい」

山田議員
「で、それを噛むのにも、私が主体で作ったこの付帯(決議)は、全会派、全党、委員会一致で通ったんだってなると、一応(附帯決議の)発議者の意図っていうことは尊重されるんですね。その声をいつでも残しておくために附帯を付けたっていう、ちょっとテクニカリーなことをいろいろやったんですよね」

赤松先生
「これはね、自民党、与党とのパイプある私のほうでも、全く分からなかったです、これ。これすごいですよ! これ。特にね、この、付帯決議の1条で、『児童をね、搾取とか虐待から守るんだ、っていう法律の趣旨を踏まえた運用を行うこと』って、入ってるから、これはもうなかなか、かなりイイですよ

(注:山田議員が原案を作成し、全会一致で採択された附帯決議は山田議員の公式HPで確認できます) 

山田議員
もうマンガとアニメだのね、出てこないんですよ、これで

赤松先生
「うん、うん。もう1個、(山田議員の法務委員会での)質問で『今まで(悪影響調査を)やってきたのか、漫画に関してやってきたのか。今後は(悪影響調査を)やるつもりなのか?』っていう(山田議員の)答弁もあって、(副大臣から)『ない』、と(言質を取った)

山田議員
「あれもね、もう今だから言えますけど、テクニカリーで。事前のレクの方では、ギリギリ言わせると向こうで、うがって、そういう検討をできるような答弁をさせたらマズいなってことで、あいまいにしといたんですよ、わりと。

それともうひとつ、われわれが緊張感があったのは、実は明らかだと思っていたのは、法律の中に、調査会を作るって話があって。これは明らかにこの調査会でマンガとアニメが対象だっていう議論に展開しちゃうと、これ身も蓋もないんですよ。

まずそれを、そうじゃない(注:『そうじゃない』とは『その調査会はマンガ・アニメの悪影響について議論する組織じゃない、という言質を引き出したという趣旨ですね』)って潰すっていうことはレク段階ではやった(注:山田議員は、レクの段階で言質を引き出しておき、それに則した国会答弁を副大臣にさせました)

(注:上の話題の詳細について、山田議員が語ってくれた際の文字起こしもあるので、合わせてお読みください)

山田議員
「それと同時に、今後、少なくとも閣法って言われる内閣が出してくる法律の中で、漫画とアニメについての検討なんてことは一糸も出させないために。やるためには何かって言うと、必ず立法事実っていうのが要るんですね。法律作る時には。

つまり、なんでこの法律を作ったんだっていうことは、事前に何かを検討、研究してきたのかってことは、絶対に必要なんですよ、内閣が出す法律っていうのは。問われる。それ(=立法事実)は、ないっていうことを証明させたから」

赤松先生
「はい」

山田議員
もし今後そういうものが閣法で出てきた場合。(アニメ・マンガ規制につながる法案を)議員立法じゃなくて、内閣が出してきた場合に関しては、『あの時の答弁は、内閣の副大臣が言ったのに、おかしいじゃないか』と追求できるので、それは潰したっていうね。けっっこういろんなことをね」

赤松先生
これはスゴイですよ。もう事実上、児ポ法関連ではマンガ・アニメ規制はちょっと不可ですね、これね、はい

山田議員
(児ポ法関連ではマンガ・アニメ規制は)できない。できないです。で、あとは、連中、規制したい側は、議員立法で、まあ、あとでちょっとやれたら、と思いますけど、青少年健全育成基本法と。またおっかないものが出てきてるんで、仕事はなかなかおわらないんですけど(注:青少年健全育成基本法もアニメ・マンガ規制につながる法律です

(中略)

赤松先生
「ただ、いいことも結構あって、自民でいろいろ、あのー、動いたらですね。相当やっぱ規制、そんなに、規制を強化しよう、って言う人は少ないですよ。それよりも、もっとこう、クールジャパンとして売ってこうっていう若い男性議員が特に。まあ私が見る限りはほとんど、マンガ好きですよ

山田議員
うんうんうん、そうそうそう

赤松先生
「で、お年を召した方と女性議員は相当厳しいですけど、けっこう自民の先生方もマンガ好きなので、こうイメージ戦争とプラスしてその、与党内でも味方を付けてって、超党派で議連かなんかみたいなのを実現していただければね」

(中略)

山田議員
「で、まあ実際には徹底的に今回、その、児ポ法の中からはマンガ・アニメ(の規制)が検討されるってことについては、もう、その芽も摘んじゃったんですけれども。まあ、そういうね、本当に一人ひとりが結構、こういう一強他弱の、本来有り得ない中で、まあ頑張ったっていうようなね」

赤松先生
いや、でも、その中でもやはり、山田議員がエース中のエースですね。ありがとうございます(拍手)

山田議員
いやいやいや、赤松さんのあの自民党に対する働きかけがあったから。・・・お互い今日は讃え合う」

一同
「(笑い)」




対談の文字起こしその1は以上です。山田議員と赤松先生の対談の文字起こしその2、その3も合わせてお読みください。




【参考リンク】
【対談:赤松健先生×山田太郎議員:その2】同人文化に悪影響を与える可能性がある著作権侵害の非親告罪化とは - 二次元規制問題の備忘録 http://nijigenkisei.ldblog.jp/archives/39051943.html
 
【対談:赤松健先生×山田太郎議員:その3】「次の戦いは青少年健全育成基本法」 - 二次元規制問題の備忘録
http://nijigenkisei.ldblog.jp/archives/39068840.html
 
 
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