『ラブひな』や『ネギま!』の作者として有名で、児童ポルノ法によるマンガ規制に反対の立場で精力的に活動してきた、マンガ家の赤松健先生。児童ポルノ法を始めとした二次元規制立法に反対の立場で国会議員として活動し、アニメ・マンガ・ゲーム産業の振興を訴えてきた政治家のたるい良和参院選に比例区から民主党公認で出馬するたるい良和氏と、赤松健氏の対談が、2013年5月5日にYouTubeで公開されました。その中で、たるい氏が東京都青少年健全育成条例改正(非実在青少年問題)によって、実際に起きたマンガの表現の萎縮について語っていた部分を文字起こししました。

文字起こしをする動画:
『児童ポルノ禁止法改正案に もの申す!』漫画家 赤松健×政治家 たるい良和対談
http://www.youtube.com/watch?v=n81MWqKDocs
(↑の動画の3分30秒付近から文字起こし)



以下、文字起こし



たるい
「6年前の参議院選挙の時に、秋葉原で『表現の規制が出るから、それを止めよう』っていう演説をしてたんですよね」

赤松
「それは2008年の?」

たるい
「2007年ですね。で、その当時はあまり問題にというか上がりかけてた頃ではあったんですが、実際の法律としては確立されてなかったんですけど。都条例で、このあいだ表現の規制がガツンと出て、そこからやっぱり…。規制をかけたら韓国とかでも、実際にちょっと落ちてるでしょ。アニメとかゲームとかね」

赤松
「落ちてますね。その通りです」

たるい
「で、その時に、結局規制かかったのゲームで、あの暴力性みたいなのをね、禁止しようっていう」

赤松
「なるほど」

たるい
結局そういうことをして、何が起こったのかって言ったら、別にイジメが減るわけでもなく、ただただ日本のゲーム業界がちょっと萎縮したっていうだけなんですよね。で、都の条例も僕はアンケートを取ったんですよ。コミケにいろいろ出してる作家さんとか。そしたら……」

赤松
「ちょっと待って下さい(笑)! それはどうやってやったんですか?」

たるい
「あのね、コミケのなんかデータあるじゃないですか」

赤松
「はい、ありますね」

たるい
「あのCDみたいなやつ。あれから出して、いろいろ1個ずつ調べて行って。その人のブログとかの所からなんかちょっと連絡先とかを」

赤松
「すごいですねえ」

たるい
「で、1件ずつデータを見て、アンケートを取ってですね。そうするとやっぱり萎縮傾向があるんですよね」

赤松
「ああ、まあそりゃありますねぇ、はい」

たるい
「ええ。で、中でも何個か代表的なのが、ネタ出しとかプロット段階でダメになっちゃうっていう」

赤松
「そうですね。はい」

たるい
「だから結局編集者とか、会社関係っていうのはこの法律の線引きがどこなのかっていうのが分からないから、マンガやアニメの画像とかを規制しようっていう流れがあるっていうのが耳に入るだけで、それだけでその市場に対して手を出さなくなるっていうか。ちょっと規制対象になっちゃう」

赤松
「そうですね。実際には『ドラえもんでしずかちゃん(のお風呂シーン)が』とかそういうのが捕まるってことはないですが、可能性があるっていうだけで我々マンガ家、同人作家にしてもそのネタはちょっと避けて描きますよね」

たるい
「ええ」

赤松
「もしくは我々がそういうネーム、ネームは絵コンテですよね。絵コンテ描いて編集者に見せた時に、編集者がコレちょっとボツっていうふうになります、やっぱり。すると日本のマンガ文化に対して影響を与えたってことになるんですよね

たるい
「ええ。それでやっぱりクリエーターっていうのが、何が良くて何がダメなのかって考えながらやると面白くないんですよ」

赤松
「確かに(笑)」

たるい
「エンターテイメントそのものが、想像力を爆発させるようなところがあるから」

赤松
「そうです」

たるい
読んでて没入度があるものを描こうと思ったら、ホントに思ってる通りをドーンと表現しないと、迫力ないんですよね」

赤松
「そうですね。うん」

たるい
「で、その部分を描かないにしても、それを描いていいのかどうかとかも、そのややこしい細かい部分があると何か萎縮してしまうという心理状態になるみたいで」

赤松
「そうですね。そうなるとやっぱり、まあこんなとこかなみたいな(笑)、作品になってしまって。しかもみんな同じような作品になってしまって、読者もつまらないと」

たるい
「そうですね」

赤松
「そうするとやっぱり世界から、わりと今日本のマンガっていうのは尊敬されておもしろいって言われてるんですけど、そういうものがどんどん、こう尖ったところがすり減って…」

たるい
「分かります分かります」

赤松
「…こう平らになってしまうと。そうすると、まあ間違いなく日本のアニメ・マンガは面白くなくなったねってことになると思います」

たるい
「結局文部省推薦の例えばマンガみたいのが面白いかって言ったら…」

赤松
「(笑)」

たるい
「やっぱりなんかこう…」

赤松
「面白いですよ(笑)」

たるい
「(笑)」

赤松
「それは面白いんですけど、そんな面白さばっかりじゃなくて、もっと別の面白さもあって、そういうような清濁併せ呑んだ感じのコンテンツってものもやっぱり用意しないと、やっぱね同じようなものになっちゃいますよね

たるい
「そうですね。やっぱり想像力を発揮して思い通りにやったものっていうのは伝わりますからね」

赤松
「その通りです。はい」

たるい
だからこの規制に関してっていうのがね、何かその、実在する少女が被害に及ぶのはもちろんそれはダメだという思いはあるんですが。非実在性のものまで規制しようとするともうどこに線を引いていいのか、結局分からなくなってしまうと」

赤松
「そうですね」

たるい
「で、都条例でもう1個、これはダメだと思ったのは、今ネットワークでデジタルコンテンツとして販売するじゃないですか」

赤松
「そうですね」

たるい
「だから赤松さんなんかもダウンロードして販売するような会社でね、今やってらっしゃいますけども」

赤松
「はい」

たるい
「そういう中で、ネットで例えば禁止されちゃうと、例えばググっても出てこなくなっちゃうと、もう全くの店じまいになっちゃうんですね」

赤松
「そうですね、はい」

たるい
「だから普通の、実在する本屋で売ってる売ってないの次元だったら、ちょっと数が減ってきたとか徐々に減少してきたで終わっちゃうんですけど。いきなりダウンロードできるサイト自体が閉鎖されたみたいになっちゃったら、今までなんとか月50万儲かってた人がゼロになっちゃって

赤松
「なるほど」

たるい
「もう変な話、人権問題に近いぐらいのね。なんかそういうことが起こってくるいうことなんですよね」

赤松
「それも大変ですよねえ」

たるい
「ええ。だから実際にそういうことがあった人からもなんかいろんな相談を受けたりはしてたんですよ。で、今回ももしこれ(=児童ポルノ法改正)をやっちゃうと、まあ似たような例えばサイトで、健全にやっててもですよ? 例えば同人誌のアップロードをして、個人がその総合サイトみたいので販売するとしたときに、ちょっと違反になる画像を誰かがですね、アップロードしてそこに置いちゃったら全部が…」

赤松
「全部ダメ」

たるい
「全部ダメになる、というようなことも起こり得るんですよね」

赤松
そういう陳情みたいなのっていうのを理解できる先生っていうのは、たるい先生ぐらいしかいないんじゃないですか? 普通は分からないじゃないですか。そういう具体的な全部ダメになっちゃうとか、具体的にどんなものがダメみたいな話っていうのは




文字起こしは以上です。たるい良和氏は、元ゲームショップ店長でファミ通に連載を持っていたこともある政治家さんです。児童ポルノ法などの二次元規制立法に反対し、今国会では、児童ポルノ法民主党案の作成に規制反対の立場から関わり、また、創作物と性犯罪の発生件数に関連があるか否かを質問主意書で内閣に質問する、などの形で活動を続けて来ました。


動画の最後で赤松健氏はこのように語っています。

赤松健
たるい先生、非常に我々マンガ家の味方として、表現規制に関して反対を言っていただいているので非常に助かります。『(参院選の)二枚目(の比例区の投票用紙)はたるい』先生とお書きいただければ、ありがたいと思います


たるい良和議員ツイッター
https://twitter.com/tarui_yoshikazu

【対談:漫画家赤松健×民主党たるい良和】その2:たるい良和、児童ポルノ法による二次元規制反対を力説する
http://nijigenkisei.ldblog.jp/archives/29262427.html

【対談:漫画家赤松健×民主党たるい良和】その3:たるい良和、マンガ家優遇のマンガ特区構想を語る
http://nijigenkisei.ldblog.jp/archives/29263893.html

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