【山田太郎前議員の近況:山田太郎前議員は、落選後もマンガ・アニメ・ゲーム等を含む表現の自由を守る活動を続けています】

◎参議院議員として、マンガ・アニメ・ゲーム等を含む表現の自由を守るために奮闘した山田太郎前議員は、2016年7月の参院選において、ネットを活用した選挙戦を展開し、野党の比例候補の中で最多得票の29万票を獲得しました。残念ながら落選するも、各党の組織票候補を上回る29万票という得票数は政界にも衝撃を与え、落選後に自民党本部に招かれ、ネットメディア対策について話をすると同時に、表現の自由の大切さも訴えてくれたそうです。自民党本部に招かれた後のニコ生で、山田前議員はこの時の状況を次のように語っています。

山田太郎前議員
強く言ったのはですね、『ネット選挙っていうのは、単なるHOWじゃないよ』と。『やっぱり若い人たちが、29万票動くということは、WHYという意味では、どうして表現の自由ということをあんなに求めたのかということをやっぱり理解してもらわないと困る』ということは散々言って

そこは僕は、正直、平沢勝栄さん(注:平沢勝栄衆議院議員)にも深々と頭を下げられ、勉強することは勉強するので、今度、自民党の関係者、広報の関係者、議員も含めて全員呼ぶから、講義してくれというので、それは分かりました、ということで。

もちろん政治家ですから、みんな腹の中には思惑があるかもしれませんが、でも、どんな手段を取ってでも、政権与党との関係というのは、緊張関係を持ちながらも、パイプを作っていく必要が、これは絶対にある


(当日の山田前議員の発言はここから読むことができます→「山田太郎前議員は○○党に行くのではないか」という言説について - 二次元規制問題の備忘録 http://nijigenkisei.ldblog.jp/archives/48595979.html






山田太郎前議員本人と、選挙戦においてネット選挙を担当した山田太郎前議員の元秘書・坂井崇俊氏は、 現役国会議員を含む各党の関係者にネット選挙の極意を伝授しつつ、ネット選挙の成功の裏に、マンガ・アニメ・ゲームを含む表現の自由の尊重を願う人達がいたことを、受講しに来た政治関係者に伝えてくれているようです(坂井元秘書は現在も山田前議員と行動を共にしています)。この動きについて、表に出てくる情報は少ないですが、表に出ている分だけでもまとめてみます。













コミケ等の二次創作に打撃を与える可能性が懸念されていた、TPPによる著作権侵害の非親告罪化の問題からコミケ等を守るために中心的な役割を果たしたのは、マンガ・アニメ・ゲームに関する議員連盟(MANGA議連)であり、議連の事務局長代行であった山田太郎前議員でした。落選により、議連の中での山田前議員の立場もなくなってしまうのかと懸念されていましたが、マンガ・アニメ・ゲーム等を愛好する人達を中心に29万票を集めたという事実は重く、議連に参加する議員らの声も受けて、MANGA議連のアドバイザーとして議連での役割を果たしていくことになりました。





参考:MANGA議連の名簿には、大物を含む、与党議員の名前がズラリと並んでいますが、野党議員も参加する超党派の議連です。



山田太郎前議員は秋の民進党代表選に出馬した玉木雄一郎議員の政策作りに関与し、マンガ・アニメ・ゲーム等を含む表現の自由の保障を玉木議員の政策の中に盛り込みました。代表選に出られる事からも分かる通り、玉木議員は民進党の有力議員の1人です。玉木議員と山田前議員は、山田前議員が政治家になる前からの付き合いとのこと。山田太郎前議員にはMANGA議連等を通じた与党自民党へのパイプと共に、野党民進党へのパイプもあるということになりますね。






◎山田太郎前議員は、低賃金の問題等が指摘されているアニメ制作者の待遇改善を目指して、公正取引委員会に働きかけを行いました。同時に、山田前議員の呼びかけで多くの人が声を上げた結果、公正取引委員会が山田前議員の依頼を受け入れる格好となりました。







山田太郎前議員の近況をおおまかにまとめると以上のようになります(本当はもっとあるのですが、これ以上記事が長くなると読むのも大変ですので…)。29万票というマンガ・アニメ・ゲーム等を愛好する層からの支持を背負って、山田太郎前議員はマンガ・アニメ・ゲーム等を含む表現の自由のために戦ってくれているのです。


参考:その他活動





山田さんの近況はこれくらいにして、山田太郎前議員の議員時代の実績まとめに移ります(以下は、以前に公開した山田さんの実績まとめの記事に、最新の情報を反映させる微修正を加えたものになります)。



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参院選に落選しながらも、野党の比例代表候補の中で最多得票となる29万票を獲得した山田太郎前参議院議員。その得票数は、農協や日本医師会、各種労働組合の組織内候補を上回る驚くべき数字でした。原動力となったのは、ネットに根を張るアニメ・漫画・ゲーム等の愛好者たち。普段は政治について発言しない人までが山田さんを再選させるために積極的に動いたのは、山田さんがアニメ・漫画・ゲーム等を規制から守るために国会の内外で、有り得ないくらいに全力で働いてくれたからです。

「全力で働いてくれたと言っても、具体的に何をしてくれたの?」と疑問に思う方もいると思います。そういう方々のために、山田さんがアニメ・漫画・ゲーム等の自由を守るために具体的に何をしてくれたかについて、5つの実績をピックアップして紹介します。ちなみに、実績の中の肩書は当時のものです。



【実績1:国連発の二次元規制の動きに対処。国会質疑や質問主意書を通じて内閣や外務大臣から二次元を守る方向性の答弁を引き出してくれました】

国連人権委員会の二次元規制の動きについては、漫画規制を主張した国連特別報告者ブキッキオ氏の名前を覚えている方も多いのではないでしょうか。国連女子差別撤廃委員会の二次元規制の動きについては、日本の女性クリエイター達が反対する声明を出したことで話題になりました。

2016年3月4日の参議院予算委員会で、山田太郎議員はこの問題を取り上げ、岸田外務大臣から「漫画ですとかアニメですとか、この日本の大切な文化、これを守っていく。この点もしっかり念頭に置きながら関係省庁と十分検討した上で、適切に対応していかなければならないと考えます」という答弁を引き出してくれました。

また、山田太郎議員はこの問題についての質問主意書を提出し、3月8日に質問主意書に対する内閣の答弁書を公開しました。山田太郎議員によるとこの答弁書により「日本は国際約束上、実在しない児童を描写した”児童ポルノ”について、なんら規制する義務を負っていないことが明らかになりました。国連からの各種勧告に対しても有効な反論材料となります」とのことです。

この答弁書の公開のすぐ後に、国連人権委員会から、「非実在児童を性的に描写する絵などの製造や頒布等の犯罪化」を含む勧告が出たことを考えると、「日本は国際約束上、実在しない児童を描写した”児童ポルノ”について、なんら規制する義務を負っていない」という政府答弁を引き出してくれたことは、本当に大きかったと言えます。

この件に関するソース:

「漫画やアニメ等、日本の大切な文化を守る事もしっかり念頭に置きつつ適切に対応する」-国連勧告が出された場合の対応を山田太郎議員に問われた外務大臣が答える - 二次元規制問題の備忘録 http://nijigenkisei.ldblog.jp/archives/47010196.html 

「実在しない児童を描写した”児童ポルノ”について、日本は国際約束上義務を負っていない」を閣議決定(山田太郎議員公式HP)
http://taroyamada.jp/?p=8684





【実績2:児童ポルノ法違反事件の押収物として、何ら違法性のないフィギュアがメディアに晒されてしまったという出来事について参議院予算委員会で質問し、国家公安委員長から重要な答弁を引き出してくれました】

児童ポルノの所持で30歳の会社員が書類送検された事件で、事件の証拠品としてフィギュアがメディアで晒されるという出来事がありました。具体的には、下の画像を参考にして下さい。


児童ポルノ法は実在児童を守るための法律であり、非実在のキャラクターであるフィギュアは児童ポルノではありません。しかし、フィギュアがこのような形でメディアに晒されてしまうと、フィギュアは児童ポルノであると視聴者が勘違いしてしまう可能性が出てきます。

2016年3月4日、山田太郎議員は参議院予算委員会でこの問題を取り上げ、国家公安委員長に質問をぶつけました。

河野国会公安委員長は「絵的に面白いから押収をして並べてマスコミに見せようなんてことは許されることではございませんので、そうしたことは厳に慎まなければならないと思いますが、それがその犯行の動機や背景の解明の立証に役立つと、繋がっているというものならば押収されることも有り得ると思います」と答弁。

フィギュアの押収を犯行の動機や背景の立証に繋がっているものとしつつも、 「絵的に面白いから押収をして並べてマスコミに見せようなんてことは許されることではございませんので、そうしたことは厳に慎まなければならない」という答弁を引き出せたのは大きかったと思います。

また、この日の山田太郎議員の質問に対して、岩城法務大臣は一般論としつつ「非実在キャラクターのフィギュアは児童ポルノではない」という趣旨の答弁を行いました。これも山田議員の良い仕事として覚えておきましょう。
 

この件に関するソース:

「事件に関係のないフィギュアを押収物としてテレビに晒すのはいかがなものか」―山田太郎議員が予算委員会で国家公安委員長に問う - 二次元規制問題の備忘録
http://nijigenkisei.ldblog.jp/archives/47011733.html




【実績3:同人・コスプレ・コミケなどに打撃を与える可能性があった『TPPによる著作権侵害の非親告罪化』について国会で質問し、安倍総理をはじめ各大臣から重要な答弁を引き出してくれました】

『TPPによる著作権侵害の非親告罪化』が、同人・コスプレ・コミケなどに打撃を与える可能性については、テレビや新聞等でも報じられましたので、知っている方も多いと思います。

山田太郎議員は、2014年6月9日の参議院決算委員会と2015年3月19日の参議院予算委員会で『著作権侵害の非親告罪化』について質問を行い、各大臣から二次創作を守る上で重要な答弁を引き出してくれました。

2015年8月10日の参議院予算委員会では、安倍総理から「そして、TPP交渉における著作権侵害の非親告罪化については、二次創作の萎縮などの懸念も踏まえ、権利保護と利用促進とのバランスを取りながら、共通ルールの構築を目指し、交渉に当たっております」という答弁を引き出してくれました。一国の総理による二次創作への配慮の答弁は重い意味を持つため、この答弁がその後の方向性に影響を与えた可能性は大いにあるでしょう

2015年10月5日、TPP交渉の大筋合意が正式発表されました。合意の中には著作権侵害の非親告罪化も含まれていました。

2015年10月21日のMANGA議連(マンガ・アニメ・ゲーム議員連盟)の会合では山田議員が司会を務め、議連の幹事長であり、著作権法の担当省庁である文部科学省の長である馳浩文部科学大臣の協力も得て、著作権侵害の非親告罪化に伴う著作権法の法改正が二次創作に影響を与えないように、政府の方向性を作ってくれました。(ちなみに、山田議員は当時、MANGA議連の事務局長代行を務めていました)

現時点では、安倍総理が「同人誌は非親告罪化の対象外」という趣旨の答弁を国会で行っており、この問題についてはほぼ安心できる所まで来たと言ってよいでしょう。そして、著作権侵害の非親告罪化の問題を国会で繰り返し取り上げ続けてきた山田議員のこの問題への貢献は非常に大きかったと言えます。


この件に関するソース:
コミケや二次創作を守る為に、山田太郎議員が行った国会質問まとめ - 二次元規制問題の備忘録
http://nijigenkisei.ldblog.jp/archives/45908461.html

コミケ準備会も呼ばれたMANGA議連ヒアリングの場で、二次創作を守る為に山田太郎議員が画策した仕掛けとは - 二次元規制問題の備忘録 
http://nijigenkisei.ldblog.jp/archives/45860999.html




【実績4:2013年5月8日、国会で児童ポルノ法によるマンガ・アニメ規制について質問し、安倍総理から「慎重な考慮が必要」という答弁を引き出してくれました】

安倍総理の答弁は以下の通り。

御指摘の実在しない児童を描写したアニメ等に関しどのような規制が必要なのかという問題については、こうしたアニメ等が児童を性の対象とする風潮を助長するおそれがあるという一方で、今、山田委員がお話をされたような表現の自由との関係もございますので、私は、慎重な考慮が必要であるということについてはそのとおりなんだろうと、このように思います。慎重な考慮が必要である面も踏まえながら検討を言わば慎重に進めていくべきものであろうと、このように思っております」

結局、2014年の児童ポルノ法改正では、児童ポルノ法による二次元規制は行われませんでした。安倍総理のこの答弁をどのように捉えるかは人それぞれですが、「慎重な考慮が必要である」という答弁を総理大臣から引き出せたのは、のちの展開を考えても大きかったと言えるでしょう。

この件に関する情報ソース:
児童ポルノ規制法について、安倍総理と麻生副総理に迫りました! | 参議院議員 山田太郎 公式webサイト




【実績5:山田太郎議員が原案を作成し採択された附帯決議によって、児童ポルノ法の改正で二次元規制を行う事は、今までよりも難しくなりました】

2014年の通常国会で児童ポルノ法改正案が成立しました。その際、山田太郎議員が原案を作成した附帯決議が採択されました。3項目ある附帯決議の中の1つに「児童を性的搾取及び性的虐待から守るという法律の趣旨を踏まえた運用を行うこと」という一文があり、実在児童を守るという児童ポルノ法の本来の趣旨が強調されたため、児童ポルノ法によって非実在のマンガ・アニメに登場する児童の表現を規制することは、今までよりも難しくなりました。万が一児童ポルノ法でアニメ・マンガ規制が行われそうになったときも、山田議員が附帯決議の作成者という立場で国会で反論できるのは大き…、かったのですが…。山田太郎議員の落選はすごく痛いですね…。

また、山田太郎議員は2014年6月17日に行われた児童ポルノ法改正案の参議院法務委員会での質疑の中で『政府として漫画・アニメと性被害の関係の調査研究をしたことはないし、予定もない』という趣旨の答弁を引き出してくれました政府が規制の科学的根拠を持たないことが明らかになったわけで、今後のことを考えても、この答弁は非常に大きかったと言えるでしょう。

この件に関するソース:
【対談:赤松健先生×山田太郎議員:その1】「もう事実上、児童ポルノ法関連ではマンガ・アニメ規制はできない」 - 二次元規制問題の備忘録 

山田太郎議員が児童ポルノ法の国会質疑で、『政府として漫画・アニメと性被害の調査研究をする予定はない』という答弁を引き出してくれました。 - 二次元規制問題の備忘録
http://nijigenkisei.ldblog.jp/archives/38759469.html





というわけで、山田太郎議員の二次元規制問題への貢献のうち5つを選んで紹介してみました。山田議員のこの問題への貢献は数多く、上で紹介した活動の他に、


『政府内部に存在した消費税軽減税率に伴う有害図書規制の動きに待ったをかけてくれた』ソース

山田太郎議員秘書の坂井崇俊氏がエンターテイメント表現の自由の会(AFEE)という政治団体を設立し、山田議員自身もAFEE名誉顧問として会の活動に関わっているソース

児童ポルノ法や著作権侵害の非親告罪化に関する質問主意書を繰り返し提出し、内閣から回答を得た』→ソース

『アニメーターの低賃金の問題を
参議院内閣委員会で取り上げてくれた』ソース



等の貢献があります。

アニメ・漫画等の自由を守るために動いてくれる政治家さんはそれなりに存在して、党内議論や外からは観測できない所で頑張ってくれている議員さんもいらっしゃるので、アニメ・漫画等を守るために動いてくれたのは山田太郎前参議院議員だけではない、ということは留意しておかねばなりません。ただ、国会質疑の場での貢献だけで比べると、山田太郎前参議院議員が1番だったと言って良いと思います。限られた質問時間を、二次元規制反対のためにここまで割いてくれた政治家は他に居ません。

参院選の落選で民間の立場に戻った山田太郎さんですが、29万票という得票数を重く受け止めて、アニメ・漫画・ゲーム等を守る活動を続けてくれています。山田さんの活動を応援したい方のために、こちらツイートを紹介しておきます。



以上、長々と読んでいただきありがとうございました。

【参考リンク】
前参議院議員・山田太郎 ニコニコチャンネル

山田太郎前参議院議員ツイッター

記事について何か問題等あれば、ブログ主のツイッターにご一報下さい→https://twitter.com/YuukiNijino   
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山田太郎前議員の呼びかけに応じる形で、公正取引委員会の募集した下請法に関するパブリックコメントに、個人・事業者・団体等からアニメーション制作産業の厳しい取引環境について意見が寄せられたようです。具体的には112人の方が意見を送ったようですね。




◎アニメーション制作産業における非常に厳しい取引環境について、個人・事業者・団体等から、公正取引委員会に寄せられた意見の概要


アニメーション制作産業は,クールジャパン戦略で取り上げられているように,我が国の重要なコンテンツ産業である。しかしながら,そのアニメーション制作産業における取引環境は非常に厳しい状況にある。

具体的には,親事業者の都合で受領を拒否される,対価を著しく低く抑えられる,契約にないリテイクを無償で求められるなどがある。アニメーション制作に係る取引について,運用基準の取引例・違反行為事例への追加,下請法違反行為への対処等を求める。

また,下請法の資本金要件を満たさない等といった理由から,下請法の適用を受けないアニメーション取引もあるが,このような取引への対処等を求める。

さらに,個人,フリーランスのアニメーターが,過酷な労働や低賃金を余儀なくされるなど,アニメーション制作産業全体が厳しい状況に置かれている。他省庁との連携も含め,このような状況の改善を求める。(事業者,団体,個人,無記名)



◎寄せられた意見に対する、公正取引委員会の考え方

アニメーションの制作については,テレビ局や製作委員会等の発注者から,元請制作事業者,下請制作事業者へと再委託が行われる重層構造にあり,再委託を受ける事業者は小規模事業者が多く,元請事業者から不当なしわ寄せを受けやすいと考えられます。このため,御意見を踏まえ,アニメーションの制作に関する情報成果物作成委託の取引例として,「第2法の対象となる取引」において次の事例を追加しました。

第 2 の 3(6)
「アニメーション制作業者が,製作委員会から制作を請け負うアニメーションの原画の作成を個人のアニメーターに委託すること。」

また,違反行為事例として,「第 4 親事業者の禁止行為」において次の事例を追加しました。

1-9 その他の受領拒否
「親事業者は,継続的に放送されるアニメーションの原画の作成を下請事業者であるアニメーション制作業者に委託しているところ,視聴率の低下に伴い放送が打ち切られたことを理由に,下請事業者が作成した原画を受領しなかった。」

5-13 その他の買いたたき(3)
「親事業者は,アニメーションの原画の作成を下請事業者である個人のアニメーターに委託しているところ,親事業者の要望を反映させることにより作成費用が当初の見積りよりも割高となることを理由に下請事業者から下請代金の引上げを求められたにもかかわらず,そのような費用増を考慮することなく,当初の見積価格により通常の対価を大幅に下回る下請代金の額を定めた。」

8-7 その他の発注内容の変更・やり直し(3)
「親事業者は,アニメーションの動画の作成を下請事業者であるアニメーション制作業者に委託しているところ,親事業者が内容確認の上,完成品を受領したにもかかわらず,プロデューサーの意向により動画の品質を引き上げるための作業を行わせ,それに伴い生じた追加の費用を負担しなかった。」

 また,アニメーション制作の取引において下請法違反行為が見受けられた場合には,迅速かつ効果的に対処してまいります。

下請法の対象とならない取引であっても,独占禁止法上の優越的地位の濫用に当たる行為に対しては,厳正かつ効果的に対処してまいります。

低賃金や長時間労働の背景に親事業者による下請法違反行為がみられる場合には,迅速かつ効果的に対処してまいります。


(平成28年12月14日)「下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準」の改正について - 公正取引委員会
http://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h28/dec/161214_1.html

(別紙2)意見の概要及びそれに対する考え方(PDF:291KB)
http://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h28/dec/161214_1.files/161214_03.pdf
(このPDFの31-32ページに、アニメーション制作産業について寄せられた意見の概要と公正取引員会の考え方が掲載されています。33ページにはゲーム制作産業についての事例の追加も報告されていますね)

 


【参考】




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2016年11月25日の衆議院文部科学委員会で宮崎タケシ議員が、人気マンガ『ハイスコアガール』に著作権法違反の疑いがあるとして出版社が家宅捜索を受けた問題を取り上げました(家宅捜索は2014年の出来事です)。

この事件に対しては、多くの専門家による連名で、『著作権侵害の成否が明らかではない事案について、刑事手続が進められることに反対する』内容の声明も出されており、漫画・アニメ・ゲーム・小説・映画等あらゆる表現活動への萎縮効果が懸念されていました。よって、宮崎議員は今回とても良い仕事をしてくれたと言えます。

また、同人文化等に打撃を与える可能性が懸念されていた、TPPによる著作権侵害の非親告罪化の問題についても改めて質問してくれました。パロティーTシャツの販売店が強制捜査された事件や、いわゆる総統閣下の動画への言及もあります。

宮崎議員の当日の質疑の該当部分を文字起こししたので、公開します。読んでいただければ分かると思いますが、宮崎議員は、昔、小説家として少女向けの小説を書いていた経歴の持ち主でもあり、集英社コバルト文庫から3冊の本を出しています。創作者としての立場も踏まえ、大変意義のある質問をしてくれたと感じています。


文字起こしをする動画:
衆議院インターネット審議中継
2016年11月25日 (金) 文部科学委員会 (3時間18分)


以下、文字起こし


宮崎タケシ議員
「著作権の問題であります。TPPの著作権の保護期間の延長や著作権侵害等の非親告罪化が行われます、―TPPによってですね。著作物を利用する側から見ると規制強化ということになるわけであります。

これによってですね、コミックマーケット等で販売される同人誌、特に既存のアニメやゲーム等のキャラクター・設定等を活用して新たな作品を創造する、いわゆる二次創作の分野に萎縮効果を与えるのではないかということが懸念をされております。

私自身はですね、友人が同人誌のブースを出していたりしたこともあったものですから、大昔です、20代の頃にコミックマーケットに2、3度行ったことがあります。(コミケが)晴海や幕張で行われていた頃のことなんですが、当時アマチュアでですね、同人誌を作っていた方々が、今、プロとしてですね、その業界のトップにいてですね、クールジャパンの牽引役となっているという事例も数多くあるということを申し添えたいと思います。

で、私はですね、新聞記者の出身なんですが、小説を書いていたこともございます。恥ずかしいのですが、まあ少女向けの小説でございまして、集英社コバルト文庫という所からですね、3冊出版をしております。そしてですね、当時、女子中学生等から結構ファンレター等もいただきました。今は抗議の手紙ぐらいしかいただかないわけでございますが、そういった時代もあったということであります。

そういった立場からですね、著作者の権利保護というのも大切なんですが、それ以上に著作物の活用ということは大切だと強く思っております。

そして、著作権法の改正について、まず総論をうかがいたいんですが、TPPで著作権法が改正され、大半が米国の制度に合わせる内容になると思うんですね。アメリカに対して、日本にはこの改正によってどのようなメリットが生ずるのか。また、TPPによってですね、米国側は制度の改正を迫られる部分があるのかどうか。これについてお答え頂けますでしょうか」

松野文部科学大臣
「今回の改正はTPP協定の実施に伴い、国際調和の観点から著作物の保護期間の延長、著作権等侵害罪等の一部非親告罪化等の措置を講ずるものであります。保護期間が延長され、長期間に渡り収益が得られることにより、新たな創作活動、アーティストの発掘・育成が可能となること、著作権等の一部非親告罪化により海賊版対策の実効性を上げることなどが期待をされるなど、国内における著作物の適切な保護に資することが期待されています。

これらの法改正は我が国における著作物の利用について、その著作物がどの国の著作物であるかに関わらず同様に及ぶものであり、我が国の著作物に比べて米国の著作物に有利な保護が与えられるものではありません。

文部科学省としては、今回の改正によって我が国の著作物等が適切に保護され、新たな創作活動が活性化されることなどにより、我が国の文化発展につながることを期待をしております。なおアメリカの著作権に関する法律がこれに伴って改正されるということは承知をしておりません」

宮崎タケシ議員
「そんなに日本にとってメリットがあるのであれば、TPP関係なくですね、やれば良い話なんですね、保護期間の延長とか、非親告罪化とかいうのはですね。逆にですね、やはりこれは日米の関係で言うとですね、アメリカ側にメリットがあり、日本側にはこれだと言えるようなメリットがないということではないかと思います。

また、先程ですね、アメリカの著作権法についてはこれを改正するということは承知していないということでしたので、つまり、改正はしないと。アメリカは元のままで、日本が一方的に合わせる制度だということだと思います。

さらに続けてうかがいます。TPPで著作権の保護期間が延長されるわけですけれども、これまで死後または公表から50年という規定が70年に延長されます。これは参議院の方でも審議されておりますが、米国の著作権法はミッキーマウスの著作権が切れそうになるたびに保護期間が延長されるので、ミッキーマウス法と揶揄されてきました。

ミッキーマウスの初公開は1928年で、映画の保護期間は公表後70年。日本は後に述べるですね、戦時加算が付きますので、80年ということですから、日本ではですね、デビュー映画の著作権は2008年に切れております。しかし、アメリカではですね、加算がありますのでまだ続いていると、こういうことであります。

そして、キャラクターとしてのミッキーマウスは作者が誰だか諸説があるんですが、ウォルト・ディズニーとアブ・アイワークスの共同著作だとすると、アイワークスが逝去した1971年から起算して50年、戦時加算を含めると概ね2031年ということになります。ディズニー単独の著作であると判断しますと、2026年なのでもう目の前だということになります。

今のは一例なんですが、50年の保護期間切れを目前に控えた著作物というものですね、海外や日本にどんなものがあるのかということをですね、具体的な代表例をお示しをいただければと思います」

松野文部科学大臣
「現在保護期間が満了する時期が近づいている著作物の例としては、日本に関しては、没年が1967年である山本周五郎氏の『樅ノ木は残った』や壺井栄氏の『二十四の瞳』などの作品が挙げられるものと承知をしております。海外の作品については、作者の没年、作品の創作時期について必ずしも十分な情報を持ち合わせていないため、具体的なお答えは差し控えさせていただきたいと思います」

宮崎タケシ議員
「私もですね、文化庁から資料等をいただきました。三島由紀夫のですね、『金閣寺』が2020年に切れるとか、志賀直哉の『城の崎にて』が2021年。こういうことであります。

そういうことを考えてみるとですね、最近切れるというものの中に、海外からですね、著作権料をですね、多額に・巨額に得られるというものは、あまりないんじゃないかというふうに思います。

その一方で、アメリカでは先程のミッキーマウス。関連するですね、商品の年間売上高は全世界で90億ドルとも言われております。日本円で1兆円近い額でありまして、ネズミ1匹で1兆円稼ぎ出すという状況であります。

また、十年ほど前ですかね、『くまのプーさん』の著作権を巡る訴訟がありまして、当時の新聞記事を見ますと、関連の売上高が年間60億ドルということであります。プーさんの小説の作者のですね、アラン・アレクサンダー・ミルンは1956年に死去しておりまして。結果的に著作権は日本では今年切れております。イラストの著作権はあと20年ほどつづきますが、イラスト抜きの『くまのプーさん』というキャラクターはですね、今日本では誰でも使える状況になっているということだと思います。

古いその時代の著作物というのは、ブロードウェイの演劇であったり、音楽であったり、ドラマの原作小説であったり、日本はですね、米国に歯が立つような状況ではございません。著作権の国際収支も大赤字ということでありますので、この保護期間の延長はですね、国益に資するとは、私は考えられないというふうに思っております。

そしてですね、私も小説を書いていたというふうに申し上げましたが、絶版になりまして、今、中古本がアマゾンドットコムでですね、1円で販売されております。世のですね著作物の99.9%はかくのごときものでありまして、発売から長い時を経てですね、利益を生み続けるというものは、ほとんどありません。

多くの場合、著作権の相続者すら分からない。その子孫がいるのかどうかすら分からない。これが現状であります。

使用許諾がですね、取りようがないという著作物は、世の中から結果的には消えていくということになります、通常。ミッキーマウスなどですね、少数の例外のために、保護期間を延長するということは、それ以外の大多数のですね、著作物の活用を制約して死蔵を招くということになると思います。

で、今年10月ですが、日本劇作家協会、日本俳優連合、日本劇団協議会、日本演出家協会など、特に演劇関係の7団体がですね、『TPPと著作権に関する緊急アピール』というものを出しました。その中でですね、保護期間の大幅延長について、『遺族の収入増には結びつかず、逆に大多数の作品の死蔵を招き、新たな創造を困難にする』という批判をしております。

人類共有の財産というべき著作物を活用し、文化を発展させる観点からはですね、著作権の保護期間は延長すべきではないというふうに私は考えておりますが、文科相の見解はいかがでしょうか。文部科学大臣、お願いします」

松野文部科学大臣
「多岐に渡ってご質問をいただきましたが、まず国際収支を含めた問題であります。冒頭お答えさせていただきました通り、今回はTPP協定の実施に伴って、国際調和の観点というのが、まず第一でございます。

で、貿易収支に関するものも委員のご指摘の通り、日本は赤字でありますけれども、その赤字の97%はですね、コンピューターソフトによる赤字でございまして、コンピューターソフトはですね、大体市場に流通するものが平均2、3年という短いものでございますから、今回50年から70年に保護期間が延長されてもですね、この面に関しては、実質的な影響は少ないものと考えております。

一方、日本のアニメ・マンガは、特にアジア諸国を中心に大変な人気のものも多くありまして、その面での著作権収入は日本は上がってきているわけでありますけれども。この部分が保護期間の延長によって長期的に安定化して保護されるということは、日本の国益に沿うのではないかというふうに考えております。

しかし、この問題はですね、委員のお話にありました通り、いわばその国のソフトパワー、開発力に帰するところが大きいものでありますから、このフェアな条件の中で、今後しっかりと日本が、ITの分野、コンピューターソフト、また、アニメ・マンガ等、様々な部分において創造性を発揮をして、国際的な競争力を高めていくと、いうことが肝要かと存じます。

で、もうひとつ。日本劇作家協会等が発表した『TPPと著作権に関する緊急アピール』と題する文書の中において、保護期間の延長については、これはもう委員がご指摘をされましたけれども、『遺族の収入増には結びつかず、逆に大多数の作品の死蔵を招き、新たな創造を困難にする』等の懸念が表明されていることは承知をしております。

保護期間の延長によりましての利点は先程申し上げたとおりでありますけれども、一方でですね、これが利用しづらくなるという状況は回避をしていかなければならないと考えております。

そのためにですね、著作物の利用円滑化を図るということが重要でありますけれども、保護期間の延長に伴って増加が予想される権利者不明著作物等の利用のための裁定制度の改善、権利処理コスト低減のための権利情報の集約化、社会のニーズに対応した権利制限の見直し等、著作物の利用円滑化のため、必要な措置を同時に取っていかなければならないと考えております」

宮崎タケシ議員
「先程ですね、著作権関係の赤字について、コンピューターが大部分だからあまり関係ないというようなことをおっしゃいましたが、それはですね、全体での割合が少ないということであって、いわゆる、例えば映画だとか小説だとか、そういったもののですね、著作権同士で比べても、これは日本は大幅な赤字だということは事実だと思います。

そして、アニメやマンガがですね、確かに、最近ですね、利益を生み出してるものもありますけれども、これはですね、今から100年後ぐらいの話なんですね。著作者が亡くなってそこから70年ということですから。100年ぐらい後にですね、それが生み続けるかどうかという話であって、現在ですね、つまり、今、まさに(著作権保護期間が)切れかかっているような分野、直近のところについてはですね、やっぱりこれは大赤字だということで間違いないのではないかと思います。

そしてですね、保護期間の延長ということで、孤児著作物をですね、権利者不明の著作物の利用を扱いやすくするというのは、確かにこれは素晴らしい取り組みだというふうには思うんですけれども。

今ですね、やっぱりコンピューターネットワークの非常に広がりがありますので、世界的にはですね、この著作権の保護期間を短くしようという議論もかなり出ている。我々は長くしすぎてですね、十分にこの人類の財産をですね、ネットワークで繋げるようになって、アーカイブ化して検索するようなことができたのに、この人類の財産を使いこなせていないということで、ヨーロッパ等ではですね、これは短縮すべきじゃないかという議論も出ているということだと思います。

TPPがこれで通らないというか発効しなければですね、もう一度見直すチャンスが出てまいりますので、ぜひこれ延長ありきでない取り組みをお願いをしたいというふうに思います。

さて、著作権法違反、著作権等侵害罪の非親告罪化についておうかがいをしたいと思うんですが、非親告罪化にはですね、一定の制約がかかっておりまして、適用は海賊版のですね、販売等に限られるというふうにされております。しかし、非親告罪化によってですね、第三者からですね、嫌がらせ的な通報があったり、あるいは警察からですね、これはもちろん起訴する時には親告罪だということにはなるんですが、その手前でですね、例えば捜査に至らないような問い合わせとか、そういったことが増えてですね、表現活動の萎縮を結果的に招くんじゃないかという、そういうおそれは十分にあると考えます。

こういった面から私もですね、非親告罪化については極めて慎重に当たらなければならないのではないかというふうに思いますが、文部科学大臣の見解をお示しいただけますでしょうか」

松野文部科学大臣
「委員から今ご指摘がありました、今回の著作権等侵害罪の一部非親告罪化においてですね、二次創作活動への萎縮が生じないようにすることは大事なことだと思います。そのために範囲をですね、悪質な侵害行為に限定をするということとしております。

具体的には、対価を得る目的または権利者の利益を害する目的があること。有償著作物等について原作のまま譲渡・公衆送信または複製を行うものであること。有償著作物等の提供・提示により得られることが見込まれる権利者の利益が、不当に害されることとなる場合であることの、全てに該当する場合に限り非親告罪とすることとしております。

既存の著作物を元に行う二次創作は、一般的には原作のまま著作物を用いるものではないこと。また、市場において著作物の正規品の販売等と競合するものではなく、権利者の利益が不当に害されることとなる場合との要件に該当しないことから、非親告罪とはならないというふうに考えております。

すなわち二次創作活動による著作権等侵害行為は、仮に権利者でない第三者が通報したり告発したとしても、権利者の告訴がなければ公訴を提起できないものであることは、今回の改正により変わるものではありません。

従って、今回の著作権等侵害罪の一部非親告罪化は、第三者の通報等により二次創作を行う者に対する萎縮効果を生じさせることとなるものではないと考えています。

文部科学省としては、改正法の施行にあたって、二次創作活動の萎縮を招くことがないよう、関係省庁とも十分に連携をして、非親告罪化の趣旨や要件の具体的内容について、十分に周知を図ってまいりたいと考えております」

宮崎タケシ議員
「私が質問したのはですね、やっぱり捜査の強化ということが行われることによって、間接的に萎縮ということが波及していくんじゃないか、こういうことであります。

現状でもですね、やはり行き過ぎた捜査ではないかと思われるようなこともあるんですね。お手元の資料の5ページに『ハイスコアガール事件について』という資料があります。これはいわゆるですね、著作権関係の専門家、あるいは大学教授、そういった皆さんが、危機感をですね、表明された文書であります。

「ハイスコアガール」事件について―著作権と刑事手続に関する声明―』というものであります。で、この事件はですね、2014年の8月に『ハイスコアガール』というマンガがですね、格闘ゲームのキャラクターを無断で使って著作権を侵害したとして、大阪府警が著作権法違反容疑で発行元のスクウェア・エニックス本社などを家宅捜索したという事案であります。

出版社への家宅捜索ですから、これは大変大きな衝撃を与えた事件です。この事件で、作者など16人と法人が書類送検をされましたが、のちに不起訴になっております。このマンガはですね、1990年台のゲームセンターを舞台にしたラブコメディーで、主人公はですね、ゲームセンターに通いつめてる小学生で、そこに同級生の女の子、ヒロインがいまして、めっぽうゲームが強いということで、ライバル心を燃やしてですね、ゲームで対決するというような、コメディーなんですけれども。

つまりですね、海賊版であるとかですね、原作のほぼそのまま扱っているというものではないんですね。あくまで話のモチーフとか背景としてゲームが登場するわけで、海賊版、コピー版ではありません。

あえて分類するならパロディーとかオマージュとかそういう一種でありまして、そもそも著作権法違反かどうかも微妙なケースであります。少なくともですね、もちろん例えば民事上の賠償責任なんかが発生する可能性はあるでしょうけれども、とても出版社に家宅捜索をするようなですね、明白重大な事案とは思えません。

で、最終的にどうなったかといいますと、これは最後のページにありますが、和解をしてるんですね。で、和解の内容を見てもらう通りですね、お互いに告訴を取り下げて、出版も継続をして、損害賠償金も払わない。で、各社のコンテンツを利用した新たな協業機会を創出しようとうたわれておりまして、お互い仲良くして手を組んでビジネスやろうっていう内容の和解なんですね。

で、強制捜査というのは社会的影響が極めて大きいですし、社会的制裁の意味合いもですね、どうしても生じてしまいます。このようなですね、曖昧な事案でですね、強制捜査を行うというのは、私は行き過ぎだと考えますが、警察庁の考えをお示し願いたいと思います」

警察庁鈴木長官官房審議官
「ただいまご指摘のございました事件につきましては、平成26年11月、大阪府警察が検挙した『ハイスコアガール』というマンガにゲームのキャラクター等を無断で使用した著作権法違反事件を指すものと考えております。

個別の事件の詳細につきましては、差し控えさせていただきますけれども、これにつきましては、権利者側からの告訴を踏まえ、法と証拠に基づき、所要の捜査を行ったものと認識を致しているところでございます。

なお強制捜査につきましては、一般論として申し上げれば、必要な場合に、刑事訴訟法の規定に基づき、裁判官の令状を得て行っているものであります。

警察としては、今後とも、刑罰法令に触れる行為につきましては、法と証拠に基づき、厳正に対処してまいる所存でございます」

宮崎タケシ議員
「まあ何も言ってないのも同じの答弁だと思うんですけれども。やはりですね、最終的に損害賠償もですね、民事関係で発生しないような事案について、出版社にですよ、強制捜査を行う、家宅捜索を行うというのは、私はこれは明らかに行き過ぎだと思いますので、今後の捜査においてはですね、十分慎重にですね、特に著作権問題については取り扱っていただきたいというふうに思います。

もう一点ですね、先日ですね、今年の10月ですか、いわゆるパロディーTシャツの販売店6点をですね、やはり大阪府警が家宅捜索をして、13人を逮捕したという事案がありました。容疑者は略式起訴、罰金の略式命令というふうになったというふうに聞いております。

コピー品なら分かるんですが、パロディー商品はですね、そもそも本物と区別が付くものでありまして、誤認させる意図もありませんし、パロディー商品を買ったから正規品を買わないというものでもないと思います。

こういったことを考えるとですね、このような違法、適法の認定の難しいですね、パロディー商品についてですね、任意で捜査するならともかく、強制捜査、逮捕というのはですね、やはりあまりに行き過ぎではないかと思いますが、これについてはいかがお答えになりますか、警察庁」

警察庁鈴木長官官房審議官
「ただいまご指摘の事件につきましては、平成28年10月、大阪府警察が検挙した事件を指すものと考えておりますが、本件につきましては、権利者側からの相談を受け、所要の捜査を行ったものでございますが、有名ブランドの商標に類似する商標を付した衣類を販売目的で所持した、商標法違反事件であると承知をいたしております。

引き続き警察といたしましては、こうした事件につきましては、被害者である権利者からの協力も得ながら、法と証拠に基づいて適正に捜査を進めてまいる所存でございます」

宮崎タケシ議員
「何のお答えにもなっておりません。これですね、商標が紛らわしいとかですね、誤認させるものというのなら、それは分かる気もしますけれども、全く違うですね、冗談のためのグッズみたいなものについてですね、捜査をするのはいいですよ、捜査をするのはいいけれども、逮捕するとかですね、そういったことまでする必要があるのか。

そして、結果的には略式起訴でしょう? 罰金刑でしょう? 略式命令ですよ、罰金の。そういうものまでですね、私は、とてもですね、強制捜査を行って、しかも大々的にですね、警察庁の中ですかね、体育館の中か何かに、青いブルーシートを引いてですね、そういうパロティーグッズ並べてですね、どうだと言って、広報をされていると。私は相当無理な捜査だったんじゃないかというふうにこれは思います。

もう時間もありませんので、最後に2つだけうかがいます。いわゆる著作権侵害、非親告罪化の対象になるかどうかというのは非常に曖昧な部分がありますけれども、2点についてですね、これが非親告罪化の対象になるか、また、違法なのかどうかということについてうかがいたいと思います。

ひとつはですね、総統閣下シリーズという動画でありまして、丸山穂高議員がTPPの特別委員会で質問をされて。その時にはですね、これは改変されているので、非親告罪化の対象ではないというふうに言われたんですが。

これ元々のですね『ヒトラー〜最期の12日間〜』という映画に日本語字幕を当てて、日本語字幕の内容がですね、面白おかしい内容だと、こういう話でありますから。そこの字幕の部分を消したりとかですね、日本語が分からない人から見れば元映画と同じなんですね。これ、ホントに対象にならないと言えるのかどうか。

もうひとつはですね、例えば私ども民進党でもですね、新聞記事をコピーして内部でですね、例えば会議とかで配るということがあります。こういったものはですね、どうなんでしょうか。

原本の記事のコピーをある程度の人数ですね、例えば50人とか100人とか。そういうところに配るというのはですね、これは非親告罪化の対象になるのかどうか。あるいはこれ自体が違法なのかどうか。文部科学大臣の見解をお示し願えますか?」

文化庁中岡次長
「個別のことでございますので、私の方からご答弁申し上げます。先程委員の方からご指摘をいただいております、総統閣下シリーズでございますけれども。また、企業等の団体がですね、内部で利用するために行う記事のコピー配布と、この2点につきましてのお尋ねでございます。

著作権侵害である、いわゆる違法であるかどうかという判断でございますけれども、こういった個別のケースにつきましては、個々の事案における具体的な事情をですね、踏まえて、裁判所により判断されることになります。

このため一概にはお答えすることはできませんけれども、このような例につきまして、権利者の許諾なくですね、無断で著作物を利用する場合には、著作権法に違反する可能性があると考えられます。

一方、いわゆる非親告罪であるかどうかというお尋ねでございますけれども、総統閣下シリーズにつきましては、市場においてですね、著作物の正規品の販売と競合するものではなくて、権利者の利益が不当に害されることとなる場合、との要件に該当しないため、非親告罪の対象にはならないと考えられます。

また、先程ご指摘いただきました、企業等の団体がですね、内部で利用するために行う記事のコピーの配布でございますけれども。これにつきましては、一般的には対価を得る目的や権利者の利益を害する目的がないと判断される場合が多いと考えられますので、このような場合には非親告罪の対象にはならないと考えられます」

宮崎タケシ議員
「違法ですか?」

文化庁中岡次長
「これにつきましては、先程総括してお答えいたしましたけれども、個々の事案における具体的な事情を踏まえてですね、判断しなければならないわけでございますけれども、仮にそういった、許諾なく、無断でですね、利用する場合についてはですね、そういった可能性があるということでございます」

宮崎タケシ議員
「時間となりましたので終わりますが、最後にですね、総統閣下シリーズというのは、いわゆる有料放映というのもやっておりますし、これは冗談的なことではありますけれども、そのパロディーにされる部分だけの有料上映というのもされているということをご指摘させていただきまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました」



文字起こしは以上です。元コバルト文庫作家でもある宮崎議員。アニメ・マンガ・ゲーム等を含む表現活動・創作活動が萎縮しないように、警察に対して自重を求めるという形で、とても意義のある質問をしてくれたと思います。 

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【参考リンク】
宮崎タケシ議員Twitter
https://twitter.com/miyazaki_takesh
(宮崎議員のTwitterアカウントのプロフィールを見に行くと、末尾に「集英社コバルト文庫より別名義でライトノベル3冊を出版。表現の自由を守る」と書いてあります。有言実行の政治家です。フォローして応援しましょう!)

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