2016年11月25日の衆議院文部科学委員会で宮崎タケシ議員が、人気マンガ『ハイスコアガール』に著作権法違反の疑いがあるとして出版社が家宅捜索を受けた問題を取り上げました(家宅捜索は2014年の出来事です)。

この事件に対しては、多くの専門家による連名で、『著作権侵害の成否が明らかではない事案について、刑事手続が進められることに反対する』内容の声明も出されており、漫画・アニメ・ゲーム・小説・映画等あらゆる表現活動への萎縮効果が懸念されていました。よって、宮崎議員は今回とても良い仕事をしてくれたと言えます。

また、同人文化等に打撃を与える可能性が懸念されていた、TPPによる著作権侵害の非親告罪化の問題についても改めて質問してくれました。パロティーTシャツの販売店が強制捜査された事件や、いわゆる総統閣下の動画への言及もあります。

宮崎議員の当日の質疑の該当部分を文字起こししたので、公開します。読んでいただければ分かると思いますが、宮崎議員は、昔、小説家として少女向けの小説を書いていた経歴の持ち主でもあり、集英社コバルト文庫から3冊の本を出しています。創作者としての立場も踏まえ、大変意義のある質問をしてくれたと感じています。


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衆議院インターネット審議中継
2016年11月25日 (金) 文部科学委員会 (3時間18分)


以下、文字起こし


宮崎タケシ議員
「著作権の問題であります。TPPの著作権の保護期間の延長や著作権侵害等の非親告罪化が行われます、―TPPによってですね。著作物を利用する側から見ると規制強化ということになるわけであります。

これによってですね、コミックマーケット等で販売される同人誌、特に既存のアニメやゲーム等のキャラクター・設定等を活用して新たな作品を創造する、いわゆる二次創作の分野に萎縮効果を与えるのではないかということが懸念をされております。

私自身はですね、友人が同人誌のブースを出していたりしたこともあったものですから、大昔です、20代の頃にコミックマーケットに2、3度行ったことがあります。(コミケが)晴海や幕張で行われていた頃のことなんですが、当時アマチュアでですね、同人誌を作っていた方々が、今、プロとしてですね、その業界のトップにいてですね、クールジャパンの牽引役となっているという事例も数多くあるということを申し添えたいと思います。

で、私はですね、新聞記者の出身なんですが、小説を書いていたこともございます。恥ずかしいのですが、まあ少女向けの小説でございまして、集英社コバルト文庫という所からですね、3冊出版をしております。そしてですね、当時、女子中学生等から結構ファンレター等もいただきました。今は抗議の手紙ぐらいしかいただかないわけでございますが、そういった時代もあったということであります。

そういった立場からですね、著作者の権利保護というのも大切なんですが、それ以上に著作物の活用ということは大切だと強く思っております。

そして、著作権法の改正について、まず総論をうかがいたいんですが、TPPで著作権法が改正され、大半が米国の制度に合わせる内容になると思うんですね。アメリカに対して、日本にはこの改正によってどのようなメリットが生ずるのか。また、TPPによってですね、米国側は制度の改正を迫られる部分があるのかどうか。これについてお答え頂けますでしょうか」

松野文部科学大臣
「今回の改正はTPP協定の実施に伴い、国際調和の観点から著作物の保護期間の延長、著作権等侵害罪等の一部非親告罪化等の措置を講ずるものであります。保護期間が延長され、長期間に渡り収益が得られることにより、新たな創作活動、アーティストの発掘・育成が可能となること、著作権等の一部非親告罪化により海賊版対策の実効性を上げることなどが期待をされるなど、国内における著作物の適切な保護に資することが期待されています。

これらの法改正は我が国における著作物の利用について、その著作物がどの国の著作物であるかに関わらず同様に及ぶものであり、我が国の著作物に比べて米国の著作物に有利な保護が与えられるものではありません。

文部科学省としては、今回の改正によって我が国の著作物等が適切に保護され、新たな創作活動が活性化されることなどにより、我が国の文化発展につながることを期待をしております。なおアメリカの著作権に関する法律がこれに伴って改正されるということは承知をしておりません」

宮崎タケシ議員
「そんなに日本にとってメリットがあるのであれば、TPP関係なくですね、やれば良い話なんですね、保護期間の延長とか、非親告罪化とかいうのはですね。逆にですね、やはりこれは日米の関係で言うとですね、アメリカ側にメリットがあり、日本側にはこれだと言えるようなメリットがないということではないかと思います。

また、先程ですね、アメリカの著作権法についてはこれを改正するということは承知していないということでしたので、つまり、改正はしないと。アメリカは元のままで、日本が一方的に合わせる制度だということだと思います。

さらに続けてうかがいます。TPPで著作権の保護期間が延長されるわけですけれども、これまで死後または公表から50年という規定が70年に延長されます。これは参議院の方でも審議されておりますが、米国の著作権法はミッキーマウスの著作権が切れそうになるたびに保護期間が延長されるので、ミッキーマウス法と揶揄されてきました。

ミッキーマウスの初公開は1928年で、映画の保護期間は公表後70年。日本は後に述べるですね、戦時加算が付きますので、80年ということですから、日本ではですね、デビュー映画の著作権は2008年に切れております。しかし、アメリカではですね、加算がありますのでまだ続いていると、こういうことであります。

そして、キャラクターとしてのミッキーマウスは作者が誰だか諸説があるんですが、ウォルト・ディズニーとアブ・アイワークスの共同著作だとすると、アイワークスが逝去した1971年から起算して50年、戦時加算を含めると概ね2031年ということになります。ディズニー単独の著作であると判断しますと、2026年なのでもう目の前だということになります。

今のは一例なんですが、50年の保護期間切れを目前に控えた著作物というものですね、海外や日本にどんなものがあるのかということをですね、具体的な代表例をお示しをいただければと思います」

松野文部科学大臣
「現在保護期間が満了する時期が近づいている著作物の例としては、日本に関しては、没年が1967年である山本周五郎氏の『樅ノ木は残った』や壺井栄氏の『二十四の瞳』などの作品が挙げられるものと承知をしております。海外の作品については、作者の没年、作品の創作時期について必ずしも十分な情報を持ち合わせていないため、具体的なお答えは差し控えさせていただきたいと思います」

宮崎タケシ議員
「私もですね、文化庁から資料等をいただきました。三島由紀夫のですね、『金閣寺』が2020年に切れるとか、志賀直哉の『城の崎にて』が2021年。こういうことであります。

そういうことを考えてみるとですね、最近切れるというものの中に、海外からですね、著作権料をですね、多額に・巨額に得られるというものは、あまりないんじゃないかというふうに思います。

その一方で、アメリカでは先程のミッキーマウス。関連するですね、商品の年間売上高は全世界で90億ドルとも言われております。日本円で1兆円近い額でありまして、ネズミ1匹で1兆円稼ぎ出すという状況であります。

また、十年ほど前ですかね、『くまのプーさん』の著作権を巡る訴訟がありまして、当時の新聞記事を見ますと、関連の売上高が年間60億ドルということであります。プーさんの小説の作者のですね、アラン・アレクサンダー・ミルンは1956年に死去しておりまして。結果的に著作権は日本では今年切れております。イラストの著作権はあと20年ほどつづきますが、イラスト抜きの『くまのプーさん』というキャラクターはですね、今日本では誰でも使える状況になっているということだと思います。

古いその時代の著作物というのは、ブロードウェイの演劇であったり、音楽であったり、ドラマの原作小説であったり、日本はですね、米国に歯が立つような状況ではございません。著作権の国際収支も大赤字ということでありますので、この保護期間の延長はですね、国益に資するとは、私は考えられないというふうに思っております。

そしてですね、私も小説を書いていたというふうに申し上げましたが、絶版になりまして、今、中古本がアマゾンドットコムでですね、1円で販売されております。世のですね著作物の99.9%はかくのごときものでありまして、発売から長い時を経てですね、利益を生み続けるというものは、ほとんどありません。

多くの場合、著作権の相続者すら分からない。その子孫がいるのかどうかすら分からない。これが現状であります。

使用許諾がですね、取りようがないという著作物は、世の中から結果的には消えていくということになります、通常。ミッキーマウスなどですね、少数の例外のために、保護期間を延長するということは、それ以外の大多数のですね、著作物の活用を制約して死蔵を招くということになると思います。

で、今年10月ですが、日本劇作家協会、日本俳優連合、日本劇団協議会、日本演出家協会など、特に演劇関係の7団体がですね、『TPPと著作権に関する緊急アピール』というものを出しました。その中でですね、保護期間の大幅延長について、『遺族の収入増には結びつかず、逆に大多数の作品の死蔵を招き、新たな創造を困難にする』という批判をしております。

人類共有の財産というべき著作物を活用し、文化を発展させる観点からはですね、著作権の保護期間は延長すべきではないというふうに私は考えておりますが、文科相の見解はいかがでしょうか。文部科学大臣、お願いします」

松野文部科学大臣
「多岐に渡ってご質問をいただきましたが、まず国際収支を含めた問題であります。冒頭お答えさせていただきました通り、今回はTPP協定の実施に伴って、国際調和の観点というのが、まず第一でございます。

で、貿易収支に関するものも委員のご指摘の通り、日本は赤字でありますけれども、その赤字の97%はですね、コンピューターソフトによる赤字でございまして、コンピューターソフトはですね、大体市場に流通するものが平均2、3年という短いものでございますから、今回50年から70年に保護期間が延長されてもですね、この面に関しては、実質的な影響は少ないものと考えております。

一方、日本のアニメ・マンガは、特にアジア諸国を中心に大変な人気のものも多くありまして、その面での著作権収入は日本は上がってきているわけでありますけれども。この部分が保護期間の延長によって長期的に安定化して保護されるということは、日本の国益に沿うのではないかというふうに考えております。

しかし、この問題はですね、委員のお話にありました通り、いわばその国のソフトパワー、開発力に帰するところが大きいものでありますから、このフェアな条件の中で、今後しっかりと日本が、ITの分野、コンピューターソフト、また、アニメ・マンガ等、様々な部分において創造性を発揮をして、国際的な競争力を高めていくと、いうことが肝要かと存じます。

で、もうひとつ。日本劇作家協会等が発表した『TPPと著作権に関する緊急アピール』と題する文書の中において、保護期間の延長については、これはもう委員がご指摘をされましたけれども、『遺族の収入増には結びつかず、逆に大多数の作品の死蔵を招き、新たな創造を困難にする』等の懸念が表明されていることは承知をしております。

保護期間の延長によりましての利点は先程申し上げたとおりでありますけれども、一方でですね、これが利用しづらくなるという状況は回避をしていかなければならないと考えております。

そのためにですね、著作物の利用円滑化を図るということが重要でありますけれども、保護期間の延長に伴って増加が予想される権利者不明著作物等の利用のための裁定制度の改善、権利処理コスト低減のための権利情報の集約化、社会のニーズに対応した権利制限の見直し等、著作物の利用円滑化のため、必要な措置を同時に取っていかなければならないと考えております」

宮崎タケシ議員
「先程ですね、著作権関係の赤字について、コンピューターが大部分だからあまり関係ないというようなことをおっしゃいましたが、それはですね、全体での割合が少ないということであって、いわゆる、例えば映画だとか小説だとか、そういったもののですね、著作権同士で比べても、これは日本は大幅な赤字だということは事実だと思います。

そして、アニメやマンガがですね、確かに、最近ですね、利益を生み出してるものもありますけれども、これはですね、今から100年後ぐらいの話なんですね。著作者が亡くなってそこから70年ということですから。100年ぐらい後にですね、それが生み続けるかどうかという話であって、現在ですね、つまり、今、まさに(著作権保護期間が)切れかかっているような分野、直近のところについてはですね、やっぱりこれは大赤字だということで間違いないのではないかと思います。

そしてですね、保護期間の延長ということで、孤児著作物をですね、権利者不明の著作物の利用を扱いやすくするというのは、確かにこれは素晴らしい取り組みだというふうには思うんですけれども。

今ですね、やっぱりコンピューターネットワークの非常に広がりがありますので、世界的にはですね、この著作権の保護期間を短くしようという議論もかなり出ている。我々は長くしすぎてですね、十分にこの人類の財産をですね、ネットワークで繋げるようになって、アーカイブ化して検索するようなことができたのに、この人類の財産を使いこなせていないということで、ヨーロッパ等ではですね、これは短縮すべきじゃないかという議論も出ているということだと思います。

TPPがこれで通らないというか発効しなければですね、もう一度見直すチャンスが出てまいりますので、ぜひこれ延長ありきでない取り組みをお願いをしたいというふうに思います。

さて、著作権法違反、著作権等侵害罪の非親告罪化についておうかがいをしたいと思うんですが、非親告罪化にはですね、一定の制約がかかっておりまして、適用は海賊版のですね、販売等に限られるというふうにされております。しかし、非親告罪化によってですね、第三者からですね、嫌がらせ的な通報があったり、あるいは警察からですね、これはもちろん起訴する時には親告罪だということにはなるんですが、その手前でですね、例えば捜査に至らないような問い合わせとか、そういったことが増えてですね、表現活動の萎縮を結果的に招くんじゃないかという、そういうおそれは十分にあると考えます。

こういった面から私もですね、非親告罪化については極めて慎重に当たらなければならないのではないかというふうに思いますが、文部科学大臣の見解をお示しいただけますでしょうか」

松野文部科学大臣
「委員から今ご指摘がありました、今回の著作権等侵害罪の一部非親告罪化においてですね、二次創作活動への萎縮が生じないようにすることは大事なことだと思います。そのために範囲をですね、悪質な侵害行為に限定をするということとしております。

具体的には、対価を得る目的または権利者の利益を害する目的があること。有償著作物等について原作のまま譲渡・公衆送信または複製を行うものであること。有償著作物等の提供・提示により得られることが見込まれる権利者の利益が、不当に害されることとなる場合であることの、全てに該当する場合に限り非親告罪とすることとしております。

既存の著作物を元に行う二次創作は、一般的には原作のまま著作物を用いるものではないこと。また、市場において著作物の正規品の販売等と競合するものではなく、権利者の利益が不当に害されることとなる場合との要件に該当しないことから、非親告罪とはならないというふうに考えております。

すなわち二次創作活動による著作権等侵害行為は、仮に権利者でない第三者が通報したり告発したとしても、権利者の告訴がなければ公訴を提起できないものであることは、今回の改正により変わるものではありません。

従って、今回の著作権等侵害罪の一部非親告罪化は、第三者の通報等により二次創作を行う者に対する萎縮効果を生じさせることとなるものではないと考えています。

文部科学省としては、改正法の施行にあたって、二次創作活動の萎縮を招くことがないよう、関係省庁とも十分に連携をして、非親告罪化の趣旨や要件の具体的内容について、十分に周知を図ってまいりたいと考えております」

宮崎タケシ議員
「私が質問したのはですね、やっぱり捜査の強化ということが行われることによって、間接的に萎縮ということが波及していくんじゃないか、こういうことであります。

現状でもですね、やはり行き過ぎた捜査ではないかと思われるようなこともあるんですね。お手元の資料の5ページに『ハイスコアガール事件について』という資料があります。これはいわゆるですね、著作権関係の専門家、あるいは大学教授、そういった皆さんが、危機感をですね、表明された文書であります。

「ハイスコアガール」事件について―著作権と刑事手続に関する声明―』というものであります。で、この事件はですね、2014年の8月に『ハイスコアガール』というマンガがですね、格闘ゲームのキャラクターを無断で使って著作権を侵害したとして、大阪府警が著作権法違反容疑で発行元のスクウェア・エニックス本社などを家宅捜索したという事案であります。

出版社への家宅捜索ですから、これは大変大きな衝撃を与えた事件です。この事件で、作者など16人と法人が書類送検をされましたが、のちに不起訴になっております。このマンガはですね、1990年台のゲームセンターを舞台にしたラブコメディーで、主人公はですね、ゲームセンターに通いつめてる小学生で、そこに同級生の女の子、ヒロインがいまして、めっぽうゲームが強いということで、ライバル心を燃やしてですね、ゲームで対決するというような、コメディーなんですけれども。

つまりですね、海賊版であるとかですね、原作のほぼそのまま扱っているというものではないんですね。あくまで話のモチーフとか背景としてゲームが登場するわけで、海賊版、コピー版ではありません。

あえて分類するならパロディーとかオマージュとかそういう一種でありまして、そもそも著作権法違反かどうかも微妙なケースであります。少なくともですね、もちろん例えば民事上の賠償責任なんかが発生する可能性はあるでしょうけれども、とても出版社に家宅捜索をするようなですね、明白重大な事案とは思えません。

で、最終的にどうなったかといいますと、これは最後のページにありますが、和解をしてるんですね。で、和解の内容を見てもらう通りですね、お互いに告訴を取り下げて、出版も継続をして、損害賠償金も払わない。で、各社のコンテンツを利用した新たな協業機会を創出しようとうたわれておりまして、お互い仲良くして手を組んでビジネスやろうっていう内容の和解なんですね。

で、強制捜査というのは社会的影響が極めて大きいですし、社会的制裁の意味合いもですね、どうしても生じてしまいます。このようなですね、曖昧な事案でですね、強制捜査を行うというのは、私は行き過ぎだと考えますが、警察庁の考えをお示し願いたいと思います」

警察庁鈴木長官官房審議官
「ただいまご指摘のございました事件につきましては、平成26年11月、大阪府警察が検挙した『ハイスコアガール』というマンガにゲームのキャラクター等を無断で使用した著作権法違反事件を指すものと考えております。

個別の事件の詳細につきましては、差し控えさせていただきますけれども、これにつきましては、権利者側からの告訴を踏まえ、法と証拠に基づき、所要の捜査を行ったものと認識を致しているところでございます。

なお強制捜査につきましては、一般論として申し上げれば、必要な場合に、刑事訴訟法の規定に基づき、裁判官の令状を得て行っているものであります。

警察としては、今後とも、刑罰法令に触れる行為につきましては、法と証拠に基づき、厳正に対処してまいる所存でございます」

宮崎タケシ議員
「まあ何も言ってないのも同じの答弁だと思うんですけれども。やはりですね、最終的に損害賠償もですね、民事関係で発生しないような事案について、出版社にですよ、強制捜査を行う、家宅捜索を行うというのは、私はこれは明らかに行き過ぎだと思いますので、今後の捜査においてはですね、十分慎重にですね、特に著作権問題については取り扱っていただきたいというふうに思います。

もう一点ですね、先日ですね、今年の10月ですか、いわゆるパロディーTシャツの販売店6点をですね、やはり大阪府警が家宅捜索をして、13人を逮捕したという事案がありました。容疑者は略式起訴、罰金の略式命令というふうになったというふうに聞いております。

コピー品なら分かるんですが、パロディー商品はですね、そもそも本物と区別が付くものでありまして、誤認させる意図もありませんし、パロディー商品を買ったから正規品を買わないというものでもないと思います。

こういったことを考えるとですね、このような違法、適法の認定の難しいですね、パロディー商品についてですね、任意で捜査するならともかく、強制捜査、逮捕というのはですね、やはりあまりに行き過ぎではないかと思いますが、これについてはいかがお答えになりますか、警察庁」

警察庁鈴木長官官房審議官
「ただいまご指摘の事件につきましては、平成28年10月、大阪府警察が検挙した事件を指すものと考えておりますが、本件につきましては、権利者側からの相談を受け、所要の捜査を行ったものでございますが、有名ブランドの商標に類似する商標を付した衣類を販売目的で所持した、商標法違反事件であると承知をいたしております。

引き続き警察といたしましては、こうした事件につきましては、被害者である権利者からの協力も得ながら、法と証拠に基づいて適正に捜査を進めてまいる所存でございます」

宮崎タケシ議員
「何のお答えにもなっておりません。これですね、商標が紛らわしいとかですね、誤認させるものというのなら、それは分かる気もしますけれども、全く違うですね、冗談のためのグッズみたいなものについてですね、捜査をするのはいいですよ、捜査をするのはいいけれども、逮捕するとかですね、そういったことまでする必要があるのか。

そして、結果的には略式起訴でしょう? 罰金刑でしょう? 略式命令ですよ、罰金の。そういうものまでですね、私は、とてもですね、強制捜査を行って、しかも大々的にですね、警察庁の中ですかね、体育館の中か何かに、青いブルーシートを引いてですね、そういうパロティーグッズ並べてですね、どうだと言って、広報をされていると。私は相当無理な捜査だったんじゃないかというふうにこれは思います。

もう時間もありませんので、最後に2つだけうかがいます。いわゆる著作権侵害、非親告罪化の対象になるかどうかというのは非常に曖昧な部分がありますけれども、2点についてですね、これが非親告罪化の対象になるか、また、違法なのかどうかということについてうかがいたいと思います。

ひとつはですね、総統閣下シリーズという動画でありまして、丸山穂高議員がTPPの特別委員会で質問をされて。その時にはですね、これは改変されているので、非親告罪化の対象ではないというふうに言われたんですが。

これ元々のですね『ヒトラー〜最期の12日間〜』という映画に日本語字幕を当てて、日本語字幕の内容がですね、面白おかしい内容だと、こういう話でありますから。そこの字幕の部分を消したりとかですね、日本語が分からない人から見れば元映画と同じなんですね。これ、ホントに対象にならないと言えるのかどうか。

もうひとつはですね、例えば私ども民進党でもですね、新聞記事をコピーして内部でですね、例えば会議とかで配るということがあります。こういったものはですね、どうなんでしょうか。

原本の記事のコピーをある程度の人数ですね、例えば50人とか100人とか。そういうところに配るというのはですね、これは非親告罪化の対象になるのかどうか。あるいはこれ自体が違法なのかどうか。文部科学大臣の見解をお示し願えますか?」

文化庁中岡次長
「個別のことでございますので、私の方からご答弁申し上げます。先程委員の方からご指摘をいただいております、総統閣下シリーズでございますけれども。また、企業等の団体がですね、内部で利用するために行う記事のコピー配布と、この2点につきましてのお尋ねでございます。

著作権侵害である、いわゆる違法であるかどうかという判断でございますけれども、こういった個別のケースにつきましては、個々の事案における具体的な事情をですね、踏まえて、裁判所により判断されることになります。

このため一概にはお答えすることはできませんけれども、このような例につきまして、権利者の許諾なくですね、無断で著作物を利用する場合には、著作権法に違反する可能性があると考えられます。

一方、いわゆる非親告罪であるかどうかというお尋ねでございますけれども、総統閣下シリーズにつきましては、市場においてですね、著作物の正規品の販売と競合するものではなくて、権利者の利益が不当に害されることとなる場合、との要件に該当しないため、非親告罪の対象にはならないと考えられます。

また、先程ご指摘いただきました、企業等の団体がですね、内部で利用するために行う記事のコピーの配布でございますけれども。これにつきましては、一般的には対価を得る目的や権利者の利益を害する目的がないと判断される場合が多いと考えられますので、このような場合には非親告罪の対象にはならないと考えられます」

宮崎タケシ議員
「違法ですか?」

文化庁中岡次長
「これにつきましては、先程総括してお答えいたしましたけれども、個々の事案における具体的な事情を踏まえてですね、判断しなければならないわけでございますけれども、仮にそういった、許諾なく、無断でですね、利用する場合についてはですね、そういった可能性があるということでございます」

宮崎タケシ議員
「時間となりましたので終わりますが、最後にですね、総統閣下シリーズというのは、いわゆる有料放映というのもやっておりますし、これは冗談的なことではありますけれども、そのパロディーにされる部分だけの有料上映というのもされているということをご指摘させていただきまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました」



文字起こしは以上です。元コバルト文庫作家でもある宮崎議員。アニメ・マンガ・ゲーム等を含む表現活動・創作活動が萎縮しないように、警察に対して自重を求めるという形で、とても意義のある質問をしてくれたと思います。 

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【参考リンク】
宮崎タケシ議員Twitter
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2015年6月、二次元規制反対派の中心的な団体であり、その活動を大手新聞の新聞記事でも取り上げられた事があるコンテンツ文化研究会を金銭的に支援するための勝手連的な取り組みを開始しました。

取り組みの詳細については、リンク先の記事に詳しく書いたので、詳細についてはそちらを参照して下さい(→二次元規制反対派の中心的な団体であるコンテンツ文化研究会を金銭的に支援する為の勝手連的な呼びかけ

この記事は、取り組み開始以来の毎月の寄付報告者の数を集計して公開するものです。

2015年6月の寄付報告者→15人

2015年7月の寄付報告者→21人

2015年8月の寄付報告者→21人

2015年9月の寄付報告者→25人

2015年10月の寄付報告者→26人

2015年11月の寄付報告者→28人

2015年12月の寄付報告者→22人

2016年1月の寄付報告者→32人

2016年2月の寄付報告者→28人

2016年3月の寄付報告者→24人


2016年4月の寄付報告者→27人

2016年5月の寄付報告者→27人

2016年6月の寄付報告者→26人

2016年7月の寄付報告者→32人

2016年8月の寄付報告者→29


2016年9月の寄付報告者→27

2016年10月の寄付報告者→26

2016年11月の寄付報告者→30人

(管理人コメント)
先日、コンテンツ文化研究会の方とお話する機会がありました。詳細は書けませんが、二次元表現の自由を守ることに関して、彼らが現在進行形で結果を出し続けている事は確かめることができました。そして、私達の寄付活動が、結果を出し続ける彼らの仕事の足元を支えています。寄付常連の方も、新規の方も、たまに参加の方も、今後ともコンテンツ文化研究会を支えていきましょう!


実際の寄付報告者の寄付報告ツイートはコチラで確認できます。

※念の為に書いておきますが、この取り組みの呼びかけ人である私、虹乃ユウキはコンテンツ文化研究会とは無関係な人間であり、この取り組みはあくまで勝手連的な活動です。

二次元規制問題の備忘録管理人:虹乃ユウキ 
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ご本人の公式HPのプロフィールにも記載されている通り、小野田紀美参議院議員はゲームを作る会社で働いていた経歴の持ち主です。その小野田議員が、2016年11月22日の参議院文教科学委員会で、二次創作への悪影響が懸念されていた著作権侵害の非親告罪化の問題や、アニメ・マンガ・ゲーム文化について、ゲームの業界に勤めていただけあって非常に分かっている質問を行いました。

例えば、「我々の業界に降り掛かってきそうな理不尽なピンチっていうのは、この非親告罪化だけではないんです。今回、この非親告罪化のことに関してはピンチを回避しましたけど、例えば表現の規制の問題であるとか、非実在青少年の取扱いについてですとか、我々の業界はいつもですね、無知と偏見から来る弾圧に怯えてるんです」という発言。

アニメ・マンガ・ゲーム等を愛好する側にいないと、なかなか出てこない発言だと思います。他にも、いろいろと興味深い質問や発言をしておりましたので、当日の質疑の、二次創作・アニメ・マンガ・ゲーム等に関係する部分のみ文字起こしさせていただきました。


文字起こしをする動画
2016年11月22日文教科学委員会
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?ssp=27304&type=recorded



以下、文字起こし。



小野田紀美議員
「本日は大きく3点、ちょっと駆け足になってしまいますが、質問させて下さい。ひとつめ、まずTPPの締結に伴う関係法律の整備に関する法律案の中で、著作権等侵害罪一部非親告罪化についておうかがいします。TPPに関しては、今、まさに特別委員会が行われている最中でありまして。その中でも、この非親告罪化の事については、再三質問があることも十分承知している所ではあるんですけれども、文化を守るという視点から、観点から、文教科学委員会のこの場において、今一度確認をさせてください。

著作権等侵害罪の一部非親告罪化等の措置を講ずるという話が出てから、二次創作・同人界隈っていうのはずっと不安に打ち震えておりました。ご承知の通り、非親告罪化の範囲については、3つの条件、要件をすべて満たす事というのを課すことによって、海賊版などに限定されて、二次創作物に関しては、除外されることは明らか、であります。

大臣のご答弁でも政府が公開している資料でも再三そのように説明がされています。ですが、今でもまだ多くの同人界隈の方々が、TPPにより自分達の生き甲斐が奪われるんじゃないかっていうふうに、不安でいます。TPPによって、同人文化が奪われることはないんだということを、これまでも何度もご答弁いただいてるとは思うんですけれども、この場で今一度確認をさせて下さい」

文化庁中岡次長
「お答え申し上げます。TPP協定におきましては、著作権等侵害罪を非親告罪とすることが求められておりますが、その範囲につきましては、二次創作活動への萎縮効果を生じないよう、市場における著作物等の利用のための権利者の能力に影響を与える場合に限定することができるとされております。これを踏まえまして、改正法案におきましては、非親告罪の範囲を海賊版の販売等の悪質な侵害行為に限定をするということとしておりまして、具体的には3つ要件を課しておりまして。

1つめは、対価を得る目的または権利者の利益を害する目的があること。2つめには、有償著作物等について原作のまま譲渡・公衆送信または複製を行うものであること。3つめは、有償著作物等の提供・提示により得ることが見込まれる権利者の利益が、不当に害されること、となる場合であること。の全てに該当する場合に限りまして、非親告罪とすることとしてございます。

委員ご指摘の、同人誌などの二次創作につきましては、一般的には原作のまま著作物等を用いるものではないこと。また、3つめの要件でございます、市場において著作物等の正規品の販売等と競合するものではなく、有償著作物等の提供・提示により得ることが見込まれる権利者の利益が不当に害されることとなる場合との要件に該当しないため、非親告罪とならないと考えるものでございます。

こういったことにつきましてはですね、そういった二次創作者におきまして、不安にならないように、改正法の施行にあたりましても、二次創作活動への萎縮効果が生ずることのないよう、非親告罪化の趣旨や要件の具体的内容につきまして、十分に周知を図ってまいりたい。このように考えております」

小野田紀美議員
「すいません。ちなみに質問通告してないんですが、このTPPの件、将来的にその3つの要件がなくなったりとか、非親告罪化の範囲が広がるようなこともないですよね? 確認させて下さい」

文化庁中岡次長
「先程の3つの要件がございましたけれども、こういったことにつきましてはですね、先程申し上げましたように、TPP協定におきまして、市場における著作物等の利用のための権利者の能力に影響をあたえる場合に限定をするという日本の主張を踏まえて、そういうような協定になったものでございますけれども、そういったものを踏まえての法律改正の趣旨でございますので。このTPP協定という対応につきましては、この要件自体が、今後なくなるとか、そういったものは考えておりません」

小野田紀美議員
「安心をいたしました。この資料にも、親告罪のままとなる行為の中に、マンガ等の同人誌をコミケで販売する行為と。コミケだけに関わらず、オンリーも含め、同人誌即売会全てでしょうし、マンガのパロディをブログに投稿する行為。これpixivも入ると思うんですが、そういう所も含み、大丈夫だよ、としっかり明記されている。

そして、将来に渡ってもそれが確立されているということをおうかがいできて、私も安心しましたし、皆さんもホッとしてくださるのではないかと思います。

ただですね、ちょっと考えていただきたいことがありまして、ここまでオオヤケに何度も大丈夫だよというご答弁をいただいているのに、なんで未だに多くの方々が不安に震えているのかという、その思いに、少しだけ寄り添っていただけたら嬉しいなと思うんです。

我々の業界に降り掛かってきそうな理不尽なピンチっていうのは、この非親告罪化だけではないんです。今回、この非親告罪化のことに関してはピンチを回避しましたけど、例えば表現の規制の問題であるとか、非実在青少年の取扱いについてですとか、我々の業界はいつもですね、無知と偏見から来る弾圧に怯えてるんです。

『クールジャパンだ』と。『マンガ・アニメ・ゲームは海外で受ける。力を入れよう』というお考えはすごく嬉しいんですけども。例えば、文化振興に向けた政策立案機能強化のために平成13年に設けられた文化審議会の文化政策部会のメンバーに、サブカルチャー界の方はいらっしゃるのでしょうか、と。おそらくいらっしゃらないと思うんですね。

で、いろいろな文化に精通されていらっしゃる有識者の方でも、このサブカルまで網羅して内容状況を分かってる方っていうのは、稀有な存在だと思います。

で、このままですね、この業界っていうのは、ちょっとある意味特殊なところがありまして、実情を分かっていただけてない場合、この業界が表に出れば出るほど、首を締められるようなことにもなりかねないなあという、そういうジレンマもあって。

文化として認めていただきたいという一方で、でもあまり深くは触れないで欲しいという、というこのデリケートで複雑な思いを抱えている業界でもあります。

日本を好きになる海外の若者の多くは、日本のアニメやゲームがキッカケというくらいですね、ゲーム・アニメ、サブカルチャーは世界と日本を繋ぐ素晴らしい文化であるということは、間違いないと私は思っております。

ぜひですね、先程、ご答弁の中にありましたが、業界が萎縮したり足かせをつけられたりすることがない文化振興施策を今後とも業界の声に寄り添って、ご配慮いただきながら行っていただきたいと考えます。今後も様々なピンチが予想されますが、サブカルチャーの文化振興をどう考えてらっしゃるか、文化振興・文化を守る文部科学大臣のお考えをお聞かせ下さい」

松野文部科学大臣
「我が国のマンガ・アニメ・ゲームを含むメディア芸術は、広く国民に親しまれているだけでなく、海外からもですね、高い評価を受けているものであります。このようなメディア芸術は、我が国の文化振興はもとより、産業や観光の振興、地方創生、国際文化交流の推進にも大きく寄与するものと考えております。

文部科学省ではメディア芸術祭を開催し、我が国の優れたメディア芸術を国内外に発信するとともに、優秀な若手クリエーターやアニメーターの人材育成を図っているところでございます。

また、委員ご懸念のですね、同人誌やパロディなどの二次創作活動、我が国の多様で豊かな文化の形成において重要な意義を有しており、このたびのTPP協定に伴う著作権法の改正法案においては、さきほど答弁をさせていただきましたが、これらの二次創作活動への萎縮効果等を生じないよう、非親告罪の範囲を、海賊版の販売等の悪質な行為に限定をすることとしております。

理解が進んでないんではないか、というご指摘に関してはですね、これから私達も積極的に理解をいただきますように、周知を徹底をしてまいりたいと考えております」

小野田紀美議員
「ありがとうございます。我々の業界もアピールできるところは、いっぱいアピールして。また、アンダーグラウンドでいたほうがいい所はきちんと自重しながら、しっかりとこの文化振興に向けて取り組んでいきたいと思っておりますので、これからもご理解とご協力をよろしくお願いいたします」



文字起こしは以上です。当日の質疑では、小野田議員は、二次創作・アニメ・マンガ・ゲーム等についての問題以外も取り上げています。小野田議員がFacebookに自身の質問の要約を載せていますのでそちらについてもぜひご覧ください。具体的には、『外国語指導助手(ALT)について』と『放課後児童健全育成事業、施設補助について』の質疑を行いました。

 


小野田紀美議員。今回の質疑を聞いて、アニメ・マンガ・ゲーム等を愛好する人達の心に、自らも当事者として寄り添ってくれる議員さんが現れてくれたなと思いました。小野田議員のTwitterアカウントを皆でフォローして、今後とも応援していきましょう!



【参考リンク】
小野田紀美議員Twitter
https://twitter.com/onoda_kimi

記事について何か問題等あれば、ブログ主のツイッターにご一報下さい→https://twitter.com/YuukiNijino   
 
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